経営方針説明会で中鉢良治社長兼エレクトロニクスCEO(右)に耳打ちする、ストリンガー会長兼CEO(撮影:吉川忠行)

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ソニー<6758>は22日、東京都港区のグランドハイアット東京で経営方針説明会を開き、同社グループで1万人の人員削減を柱とするリストラ策を発表した。2007年度末までに不採算・非戦略事業の収束や、製造拠点の統廃合などを含む構造改革を行う。

 15カテゴリーの不採算部門を撤退や事業売却で処理し、製造拠点を11カ所閉鎖して54拠点とするなど、事業の絞込みで1300億円のコストを削減。国内4000人、海外6000人のグループ人員削減で、コストを700億円減らす。構造改革費用は06年末までに2100億円必要という。また、保有する不動産、株式など1200億円分の非戦略資産を売却する。

 ハワード・ストリンガー会長兼CEOは、4月の新経営陣就任後100日間にわたって行った顧客、販売店、投資家、社員からレビューを受け、構造改革と成長戦略を決めたと説明。「個別最適化を図っていたカンパニー制をやめ、部門・カンパニー間の壁を打破して横断的機能を強化する」と話した。中鉢良治社長はエレクトロニクス事業に経営資源を集中させ、競争力強化を実現するとし「今の体制のうちに世界のソニーを復活させる」と語った。

 具体的なリストラ対象について、ストリンガー会長と中鉢社長は「それぞれの商品にファンがおり、社員もそれぞれの商品に愛着があるので現時点で発表はしないが、数カ月以内にやる」とした。大根田伸行CFOは「金融事業の売却、撤退は考えていない」と述べた。

 同社は構造改革費用が当初見込みより拡大したことを受け、05年3月期の連結業績予想で、純損益を100億円の黒字から100億円の赤字に下方修正した。売上高は7兆2500億円の予想で、見通しには変更なしとした。【了】

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