今日はパットが決まらない..

写真拡大

【沖縄発】◇ダイキン・オーキッド・レディース◇最終日◇ギャラリー:13,148人

 朝、ホテルのカーテンを開けて雨が降っていないことに感謝したのも束の間、窓を開けると沖縄らしからぬ冷たい風が吹き込んできた。今日の平均気温は9.6℃。昨日より幾分暖かいが、それでも、こんなに沖縄が寒いとは。

 初日・2日目と悪天候の影響もあってスコアの伸び悩んだ宮里藍(19)。今日こそは巻き返して、地元沖縄のギャラリーを大いに沸かせたいところだ。

 1番(380ヤード、パー4)、2オンするものの3パットして、いきなりボギーを叩いてしまう。父優氏によれば「これで自信を失くした」。続く、2番〜5番ホールは、きっちりバーディチャンスにつけるものの、決めきれない展開が続き、ギャラリーからはため息が漏れる。

 6番(370ヤード、パー4)では、ティショットを左に曲げて、アプローチもグリーンを捉えることが出来ない。「藍ちゃん、がんばれー」ギャラリーの声が響く中、このホールもボギーとしてしまう。

 藍ちゃんのラウンドに合わせて、大勢のギャラリーが移動する。大人から子供まで、多くの声援が後押しする。「今日こそは…」の気持ちは、誰よりも藍ちゃんが一番強い。

 しかし、後半に入ってからも、ショットは安定しているものの、パターの決まらない展開が続いていく。惜しいパットは何度もあった。だが、どうしてもバーディが奪えない。バーディパットを外した藍ちゃんの顔には、あきらめにも似た笑顔があった。結局この日はノーバーディ、4ボギー、通算10オーバー27位タイでコースアウトし、期待された大会2連覇はならなかった。

 「みごとに全部空回りしましたね」とは、試合終了後の弁。「パットはラインに乗るんだけど、入らない。悔しさもないですね。最後まで入らなかったので、こんなもんなのかな、今日は、と(笑)」

 ギャラリーを沸かせることが出来なかったことを「ある意味、惜しいことをしましたね」と笑った藍ちゃん。ただ、今大会で改めて注目されていることを実感できたという。「声援が大きかったので励みにしたいです。地元のファンの方々には、これからもテレビを通じて変わりなく応援して欲しい」と語り、今大会を締めくくった。

 日本ツアーはまだ始まったばかり。今年もツアーを盛り上げていきたいと語った19歳は、日本にとどまらず、世界に向けての挑戦も予定している。試合で逆境に追い込まれたとき、この3日間の地元ファンの熱気と声援は、藍ちゃんのこころのなかで、きっと大きな力となるだろう。