あたかも芸能界を牛耳る「ボス」のような人物だと、一般大衆は認識していることだろう。他のタレントを堂々と批評し、皆が頭を下げ、恐れおののく。「ゴッド姐ちゃん」と呼ばれる歌手はいったいなぜ、そんな巨大な存在になったのか。「毒舌ご意見番」の地位に君臨するには「理由」があった──。

 自業自得なのか、このところ「アッコにおまかせ!」(TBS系)が集中攻撃を受け、話題になっている。口火を切ったのは、たびたび番組に取材協力してきた落合洋司弁護士だった。

〈アッコにおまかせのスタッフは、実に横着で、わからないことを、自分で調べず、他人に丸投げで聞いてきて、散々説明させ、ギャラも払わず、番組でも何ら紹介せず、ばかり。俺はお前らのアシスタントじゃねーよ。馬鹿が〉

 落合氏は5月31日のツイッターでこう怒りをブチまけ、番組を激烈批判。だが翌6月1日の番組ではこの件には一切触れないばかりか、6月8日の放送では開き直りのような演出で、またもや不評を買った。「お天気コーナー」の路上中継で、番組出演者の出川哲朗(50)の愛車が映ると、ペンを持った子供たちが登場し、車体に「出川のバカ」などと落書き。さらにドッグフードが置かれた運転席と助手席に2匹の犬が放たれると、バクバクと食い散らかす。顔面蒼白の出川に、メインMCの和田アキ子(64)は肩をポンポン叩き、「キレイにしてお返ししますから」。TBS関係者は渋い顔だ。

「この『出川事件』に対し、視聴者からTBSにかなりのクレームが寄せられました。『あれはひどすぎる』と」

 落合氏の批判への反省などみじんも見せない下品な演出で、傲慢・強引を助長することになったのは、和田自身のイメージとかぶるからなのか。和田はいつしか「芸能界のご意見番」と呼ばれ、大物然とし、タレントたちから恐れられる存在になっている‥‥ように見える。「アッコに──」では、11時45分から生放送がある日曜日はスタッフが朝4時からスタンバイ、和田に食べさせる朝食の調理を始めるという。おかずはなんと36種類で、好物のおかゆは共演者の安東弘樹アナ(46)がよそうのがしきたり。放送後には10人以上のスタッフがTBSの玄関まで和田を見送りに出てくるとも。異常なまでの特別扱いなのだ。和田を知る民放局制作スタッフが語る。

「やりすぎですよ。本人を勘違いさせちゃう。TBS以外の局の番組に出演する時も最後に見送る際にチーフプロデューサーが出てきたりする。そこまで祭り上げるのはどうなのか‥‥」

「アッコに──」の出演者をはじめ、和田は取り巻きの「ファミリータレント」を多数抱えている。峰竜太(62)、勝俣州和(49)、カンニング竹山(43)、はるな愛(41)、あびる優(27)、陣内智則(40)、松村邦弘(46)、原口あきまさ(38)、TKO、ますだおかだ‥‥あげればキリがない。芸能ジャーナリスト・安良佳人氏が言う。

「先日、クワバタオハラの小原正子(38)が元メジャーリーガーのマック鈴木氏と結婚する際には『アッコにおまかせ!』放送前に和田に電話で報告している。『番組でネタとして取り上げられるから電話しろよ』と周囲も言いますしね。安田美沙子(32)も結婚が決まった時には真っ先に報告しています。皆が『アッコさん、アッコさん』と持ち上げ、ペコペコし、気を遣う」

「舎弟700人の女番長」という報道もある和田の毎年4月10日に開催される誕生会には、何十人もの芸能人が戦々恐々として駆けつける話は有名だ。また、ネットの検索サイトで「和田アキ子」と打ち込むと、自動的に「何様」という関連ワードが登場する。そしてネット上のさまざまな掲示板や書き込みサイト、個人のブログには、彼女に関する一般大衆の疑問が山のように見受けられる。共通するのは「和田アキ子って何がそんなにエライんですか?」という一文である。

◆アサヒ芸能6/17発売(6/26号)より