少数による、わずか5分にも満たないことだった。だが、事実であり、深刻であることに変わりはない。反人種差別キャンペーンがあまり役立っていないことは明らかだ。21日のユヴェントス・スタジアムでの試合でも、ミランMFケヴィン=プリンス・ボアテングに対して人種差別的野次があった。

問題が起きたのは、試合前にミランがウォームアップしていたときだ。アップしたのはミランファン用のスタンドの近くだったが、その隣のスタンドは“クルヴァ・ノルド”。ユヴェントスファンの中でも最も穏やかであるはずの彼らは、人種差別的ブーイングでボアテングを出迎えた。

非常にいらだった様子のボアテングは、今回も何もなかったフリをしなかった。スタンドに向かい、人差し指を口にあてて、黙るように求めたのだ。彼は「なぜお前たちはこんなことをする?」と言うかのようなジェスチャーも見せた。

その後、ミランのチームメートたちとスタッフが間に入って彼を何とか鎮め、ボアテングはアップを再開した。このエピソードは見逃されていない。実際、スタジアムでは数分後、そういった行為がユヴェントスに対する処分につながるとの警告が放送で流れている。

ユヴェントスは以前にも同様の件で罰金処分を科されており、次に似たような問題が起きれば処分を科されることになっている。ユヴェントスがホームでスクデット獲得を決めるかもしれないというこの時期に…。ユヴェントス・スタジアムでは以前から様々な問題が発生している。その都度、クラブは罰金を払ってきた。

ボアテングは1月、下部リーグとの親善試合でも人種差別の被害に遭い、試合を途中で中断させた。この件で国連から招待され、スピーチをしている。以降、人種差別に対する注意は増しているが、一部のがんを除去するのは難しいことのようだ。問題は、挑発をする一部の者のために、ほかの全員が代償を払うかもしれないということである。

いずれにしても、21日の試合では、“クルヴァ・ノルド”以外のスタンドが彼らに続くことはなかった。また、ウルトラスが陣取る“クルヴァ・スッド”スタンドは、この日の試合で出場停止だったミランFWマリオ・バロテッリを皮肉る方を選んでいる。