ボスニアではアマル監督に高評価

Jリーグは開幕したばかりですが、ヨーロッパの各リーグは終盤戦の様相。ボスニア・ヘルツェゴビナ・プレミアリーグではアマル・オシム監督のジェリェズニチャル・サラエボが、リーグ戦では首位を走り、カップ戦でも準決勝進出と、昨年に続く2年連続ダブルクラウン(二冠)を狙える位置に付けています。

リーグ戦では土曜日はホームで引き分けたものの、ライバルで現在2位のFKサラエボがアウェイで敗れたため、ジェリェズニチャルは勝ち点差を7ポイントとし、独走態勢に入りつつあります。(残り7試合)

ラジオ・サラエボは先週、アマル監督について特集。「数字が物語るアマル・オシム」として、「偉大な父の子として生まれ、その父の足跡をたどっている」などと監督としてすぐれた業績を上げていることを強調しました。

この特集では、アマル氏が選手としてはフランスやドイツでプレーしたものの、世界的レベルではなかった。プレーヤーとしては「グルバビッツァのシュトラウス」と異名を取った伝説のシュワーボには及ぶべくもない。もちろん、シュワーボ(オシムさんのニックネーム)はボスニアサッカー史上、誰も越えることのできない、不世出の天才であったから、(c)子が及ばなくとも不思議ではないのだが、監督としてのアマル氏は、ボスニア国内に限れば数字の上では父親を上回る数のタイトルを獲得している、などとしています。


先週の段階でアマル監督は公式戦281試合の指揮を執り、173勝58分50敗という素晴らしい勝率で、タイトルも「リーグ優勝4回、カップ戦優勝4回、うちダブルクラウン2回、スーパーカップ優勝1回」(このほかにジェフ時代にナビスコカップ優勝)を記録。数字の上ではお父さんと肩を並べています。

もちろん、この数字はクラブチームの監督としての優勝回数で、お父さんの時代には旧ユーゴの4強(レッドスター、パルティザン、ディナモ、ハイドゥック)を相手に回しての戦いだったなど事情は違い、またユーゴ代表(イタリア・ワールドカップでベスト8)や日本代表などナショナルチームの指導経験もこれからの段階。いずれにせよ、5月末のシーズン終了時に、ボスニアのリーグ戦、カップ戦のいずれか、または二冠達成ということになれば、アマル監督の評価はいっそう高まることが確実です。

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4月20日(土)のJリーグは「ユーゴ・ダービー」が2試合。

埼玉ダービーは大宮ベルデニック(スロベニア)と浦和ペトロヴィッチ(セルビア)両監督の対戦、東名ダービーの「FC東京vs名古屋」はポポヴィッチ、ストイコヴィッチ(両監督ともセルビア)の対戦。もちろん、みなさんとも、オシムさんのお友だちというか、教え子というか、そういう関係で、それぞ
れ、味のあるコメントをしています。

ちなみに日曜日のJ2「千葉vs福岡」のカードも、オシムさんゆかりのジェフと、スロベニアのプーシュニク監督ひきいる福岡の対戦と、どこか因縁めいた対戦になりました。

大宮 1 - 0 浦和 (16:04/NACK/13,016人)
得点者:45'+2 ズラタン(大宮)

ペトロヴィッチ監督(浦和)「非常に痛い敗戦だった。……結果に対する責任は私にあるので、批判は私にしてほしいし、サポーターの皆さんにはただ選手たちをこれからも後押ししてほしい。この敗戦は、私の敗戦だ」

(ミーシャ監督のコメントは、勝ったときには選手の手柄、負けたときには監督の責任、というオシムさんの口癖通りのものでした)

ベルデニック監督(大宮)「やっと少しずつ、自分たちが良いプレーをしていること、自分たちに力があるということが信じられるようになってきた。1週間のトレーニングで良い準備良い準備ができたし、戦術的に変えたところはない。普段の通り、自分たちらしくしっかり戦おうという話をした」