台日漁業協定  台湾の馬総統「歴史的任務を達成」

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(台北 11日 中央社)馬英九総統(右)は11日午前、日本の対台湾窓口「交流協会」の大橋光夫会長(左)と会い、10日結ばれた台日漁業取決めについて「歴史的任務を達成した」「日本との関係は新たな段階に入った」と喜び、困難な交渉を乗り切った関係者および日本の誠意と善意に感謝を示した。予定では副総統が対応することになっていたが、急きょ馬総統との会談も追加された。

取決めでは、「東シナ海の平和と安定の維持」「友好互恵」「海洋資源保護」などを目的に、台日が共に排他的経済水域を主張していた台湾と沖縄の間の海域について、北緯27度以南から先島諸島北側までの一帯7.4万平方キロメートルを共同水域とした。この海域に位置する釣魚台(日本名:尖閣諸島)の12カイリ内は対象外とし、主権論争は棚上げされた。

争いの棚上げや平和的な資源の共有は、馬総統が昨年8月から提唱してきた「東シナ海平和イニシアチブ」の柱で、台湾側は今回の取決めを、日本がイニシアチブに呼応したものと受け止め歓迎している。

馬総統は会談で改めて釣魚台の主権を主張しつつ、「中華民国は争いを平和的に解決することを願っている」と強調、「東シナ海が真に平和と協力の海となり、東アジアの平和と安定の基礎となることを望む」と力を込めた。

(編集:高野華恵)