スカイツリーが5月22日にオープンしてから、早くも100日が経過した。その間、有料展望台に上った人は、事業主体である東武鉄道によると約162万人。商業施設などを含めた『東京スカイツリータウン』では、累計来場者数が約1666万人を達成したという。それだけ世間の関心を集めたスカイツリー、完成時は世界一の尖塔高(634メートル)を誇り、東京タワーに代わってワンセグ、つまり携帯機器を使ったテレビ放送を快適に視聴できるようにする目的も持っていた。だが、問題も発生している。

 携帯、パソコン、IH調理器具など、我々の社会はこれらの機器から数え切れないほどの恩恵を受けている。
 だが、電磁波を恒常的に受け続けると、鬱、目まい、精子の減少、それに心臓疾患や精神疾患、がんなどの健康被害を発症することもあるのだ。

 神奈川県に住むAさんはマンションの玄関口に立ちながら、各住戸の電気製品の点滅の様子が手に取るようにわかるという。
 「今、301号室でテレビが点いた。103号室ではパソコンが消えた」
 妻が念のため、夫が言った3階と1階の部屋に確認したところ、確かにその時間帯、テレビを点けたり、パソコンのスイッチを切ったりしたという。
 「ひょっとしたら、夫には霊感があるのかしら」
 妻は困惑した。喜んでいいやら、得体の知れない能力を訝しんでいいのか判断に困った。
 どうして、そんなことがわかるのか。
 本人に問い質したところ、スイッチを入れた途端、針で刺したような胸の痛みを感じるというのだ。
 実はAさん、子供の頃、ピアノの防音室に毎日数時間、こもりきりになって練習をしていた。そのため、建材から発せられるガスにさらされて軽い化学物質過敏症でもあったのだ。
 やがて、彼の超能力は電磁波過敏症によるものと判明した。

 北里大学名誉教授で『そよ風クリニック』院長の宮田幹夫氏が言う。
 「電磁波過敏症の患者は、電磁波を感じると皮膚がピリピリします。高圧送電線に近づくと過呼吸になったり、電車に乗る際はパンタグラフの下の車両には乗れないという患者も多い。電磁波の影響は不定愁訴ばかりではありません。これまで報告されている健康被害としては、小児の白血病、脳腫瘍、乳がん、携帯基地局周辺のがんの増加、精子数の減少などが見られます」

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