世界遺産に登録されている「那智の滝」をよじ登って逮捕された3人の中に、世界的アルパインクライマーの佐藤裕介がいたことにアルピニストの野口健は、7月19日(2012年)のブログでプロとして活動してきたのであれば釈明の記者会見を開くべきだと批判した。

佐藤が警察に供述したという「立ち入り禁止は分かっていたが、日本一の滝に登りたかった」という言葉を挙げ、「犯行の動機のあまりの幼稚さと彼の世界的な実績とのギャップに驚かされた」という。「那智の滝」は世界遺産であるだけではなく、熊野那智大社のご神体でもあり、そのような動機で犯行に及んでしまうことは、ネパールやチベットにある登山禁止の霊峰に登るのと同じで「信仰に対する冒涜」だと厳しい。

野口は佐藤が真っ先にすべきことは「直接、熊野那智大社に出向き謝罪すること」で、その次にすべきは記者会見だという。

「素人ならまだしも、日本を代表するプロクライマー。個人的なスキャンダルならまだしも、プロのクライマーがその活動の中で逮捕された。逮捕された以上、プロには説明責任があると私は考える。本人の口から事件について語る必要があるだろう。謝れば済む話でもないだろうが、謝罪や説明は早ければ早い方がいい32歳とまだ比較的に若い。まだまだ可能性を秘めているだけに一日も早く誠意を見せてほしい」