中居正広が主役のドラマ『ATARU』が、初回(4月15日)で19.9%(関東地区)をとり好スタートを切った。中居はサヴァン症候群の青年役で、その特殊能力から、迷宮入りの難事件を解決していくというストーリー。
 ドラマ視聴率が低迷するTBS側は大喜びだが、一部では「その数字は作られている」と懐疑的な目が向けられている。

 ラジオの聴取率調査のときに、数字の底上げで使われるプレゼント作戦が同ドラマでも導入されたからである。その結果、視聴率に下駄が履かされたというわけだ。具体的には、どんな手口か。
 『ATARU』の場合、ドラマ放送中に視聴者がリモコンの「dボタン」を押すと、データ放送画面にドラマに関する三択クイズが表示される。その際、視聴者が正解と思う項目を選びプッシュ。続いて、データフォームに電話番号かメールアドレスを記入するという単純なもの。
 正解すれば抽選で毎週10人に「ご馳走便」1万円分が贈られる。マスクメロン、しゃぶしゃぶ用松阪牛、すき焼き用神戸牛などの豪華版である。
 外れた場合でも、エンディングで再度チャンスが与えられる。三択クイズが出され、正解番号に電話した視聴者の中から抽選で週5名に「HIS旅行券」3万円分がプレゼントされる。とにかく、ドラマを観ていないともらえないのだ。
 「今年初め、このやり方でみのもんた『朝ズバッ!』が視聴率を伸ばした。ラジオでは、この種のプレゼント作戦による数字アップは日常茶飯事。ワイドショーでは今年2月、『ミヤネ屋』が金の小判をプレゼントし、視聴率の上乗せを試みたことがある。この手法はかなり増えつつあります」(広告代理店社員)

 逆にいえば、ここまでしないといけないTBSの凋落ぶりがよく出ている。
 ただし、この“手口”が日常化すると、ドラマの質よりもプレゼント内容が視聴率を左右するという危険性もある。
 「民放連(放送局団体)レベルで早めに手を打たないと、テレビ局はプレゼントの氾濫になってしまう。これは自殺行為です」(業界関係者)

 金で視聴率を買う時代になった、ということか。