雲南省の昭南市鎮雄県塘房鎮の頂拉致小学校で9日、給食を食べた生徒のうち368人以上が下痢や腹痛、発熱などの食中毒とみられる症状を示して病院で治療を受けたことが分かった。給食は異臭を放ったり変色していたが、教師は「必ず全部食べるように。食べなければ罰金10元(129日本円)」などと強要したという。中国新聞社が報じた。

 学校は「栄養食」として昼食時の給食を実施していた。9日の主食は米飯で、おかずにはエンドウ豆、冬瓜、もやしが使われた。生徒らによると、エンドウ豆は黒く変色し、渋い味がした。悪臭もして飲み下すのがつらかったという。

 校則で「食べ残した場合、罰金10元」と定められており、教師も「必ず食べるように。残したら罰金」などと言ったので、多くの生徒が無理をして食べた。昼食が終わってしばらくすると、目まいや吐き気、下痢の症状を示す生徒が次々に出た。教師や駆けつけた保護者が病院に運んだ。

 同校の生徒数は665人で、半数以上の368人が食中毒とみられる症状を示して病院で治療を受けた。4月14日の時点で22人がまだ入院していたという。

 同件について、県政府が調査を行ったところ、給食のため購入した食材の記録はなかった。残されていた米には、品質についての合格証や生産期日の表示がなかった。食品はおおむね1週間に2度運ばれてくるが、学校に冷蔵庫はなく、地下室に保管されているだけだった。食材を運んでくる際にも、冷蔵機能があるトラックを使っていなかった。

 学校食堂と運営を委託している業者は「飲食サービス許可証」または「食品衛生許可証」を取得していなかった。申請した記録もなかった。

 雲南省は、大量の生徒が発症した事態を重視して調査を始めた。責任者はすでに身柄を拘束されたという。(編集担当:如月隼人)