■夢の日本代表との対戦が実現

8月26日、みちのくダービーを前にした練習中に、仙台MF梁勇基の朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮と表記)代表選出のニュースが入った。梁はブラジルワールドカップアジア3次予選日本代表戦(9月2日・埼玉スタジアム)、タジキスタン代表戦(9月6日・平壌)の2試合における北朝鮮代表メンバーに名を連ねた。

今年に入り、梁はコンスタントに北朝鮮代表に選出されており、6月8日中国の貴陽にて行われた中国代表との親善試合、8月10日クウェートにて行われたクウェート代表との親善試合のメンバーに選出されていた。今回も北朝鮮代表の中核選手としての期待を受けてのメンバー選出と見られる。

ましてや今回は梁が生まれ育った日本で行われる、日本代表とのアウェイゲームとあって、梁は闘志を燃やしている。26日の練習後、梁は代表選出について、日本代表戦について熱い思いを語った。

■日本代表は「全ての選手を警戒」

――北朝鮮代表選出の率直な感想を。
良いコンディションで行けるように、と思っていますし、楽しみでもあります。自分の中でもすごく大事な試合になります。

――日本代表で特に注意したい選手は。
全員ですね。海外経験豊富な選手も多いですし、能力一つ見ても穴がなくてしっかりしたチームだと思います。

――ドルトムントの香川真司は意識しますか。
のせたら止められないですし、手の付けどころがなくなると思いますので、激しく潰しにかかる必要があると思います。自由にやらせたら何でもできる選手が揃っているので、そこはチームとしてどう守るかがポイントかな、と思います。

――では、本田圭佑は。
全然警戒していないわけではないですけど、全員個人技が高いので、試合始まったら終わわるまで90分間気が抜けないと思います。

――日本代表のことはチームメイトの関口訓充から何か聞いているか。
「見に行けないな〜」とか言っていて、結構冷たいな、と思います(笑)

日本代表戦に向けては、特に誰を意識する、ということはなく日本代表選手全員を警戒しているようだ。関口に関しての質問はジョークでかわした。

■梁が語る今の北朝鮮代表とは?

――北朝鮮代表のサッカーは南アフリカワールドカップの頃から変わったか。
どうですかね、監督も変わりましたし、攻撃的というかそんなに守備ばかりではないという感じではあります。実際、対戦相手との駆け引きもあると思いますし、アウェイとなればどういう戦い方になるのか分からないので、システムの部分は正直自分も分からないです。

――中盤を作るような感じか。
相手に応じて、守備が長くなればカウンターになると思いますし、ボールをポゼッションできればそれはしっかりやると思いますし、その試合に応じてという感じになると思います。

――日本代表戦はカウンター攻撃主体になりそうか。
チャンスはゼロじゃないと思いますし、そこをしっかりものにできるか、ということと、チャンスとなれば思いきって攻撃するのも大事だなと思っています。守備する時間は長くなるのではないかという自分勝手な予想はしていますが、チャンスがあれば思いきって前線に飛び出す姿勢も見せたいと思います。

――日本でプレーしているので、チームから情報を求められるのでは。
まあ、選手の特徴は聞かれると思います。自分の知っている限りのことは伝えますし、最低限しなければいけないことだと思っています。

――代表ではどのポジションで出ているのか。
多分サイドバックですね…(笑)。いや、どこで出るとかは言えないですよ。サイドバックもあり得ますよ。自分もわかりませんし、試合に出るかどうかもわかりません。親善試合でどのポジションで出たかも言えません。もう戦いは始まっているので。