27日から開催され、中盤を越えた大邱世界陸上選手権大会だが、開催国の韓国は31日現在、メダルを1つも手にしていない。複数の韓国メディアが、この状況について報じている。

 韓国メディアは、各種の国際大会で中国や日本とアジアのスポーツ3強を形成していた韓国は、開催国でありながら、両国のメダル競争をうらやましい目で眺める羽目になったと伝えた。

 アジア地域では、日本の東京と大阪に次いで3番目に開かれる大会のため、日中韓3カ国の成績に目が行くが、日本と中国がアジアのプライドを守っている中、韓国は苦戦を強いられていると、その状況を説明。

 一方、28日、女子100メートル予選に出場した福島千里(23)が11秒35の記録を出し2位で堂々と準決勝に進出した。アジアで唯一準決勝に上がった福島は11秒59で最下位に終わり、決勝進出には失敗した。しかし、世界の壁を超えることに成功した福島は、美貌まで加えて、日本の陸上界の新しいスターに浮上したと紹介。

 29日に行われた男子ハンマー投げでは、世界のトップクラスを形成してきた室伏広治選手(37)が決勝で81メートル24をマークし、日本は今大会初のメダルを金メダルで飾った。棒高跳びの沢野大地(31)も決勝に進出するなど、様々な種目でメダル競争を続けている。

 また、中国はスポーツ強国にあって、今回の大会でも強者の姿をいかんなく発揮していると伝えた。28日には女子円盤投げで李艶鳳が金メダル、29日には男子110メートルハードルで劉翔が銀メダルを獲得した。このように、中国と日本が今回の大会で良い流れを見せていることに比べ、韓国の成績は期待に及ばない。

 オリンピックなどの他の総合大会では、日中との競争を繰り広げた韓国が陸上で唯一の弱点を見せるのは、これまでしっかりとした選手育成システムが構築されていない影響が大きいと指摘。韓国の陸上界は世界選手権の開催が確定した2007年からケニアや米国などで練習を行い、外国人コーチを招へいしたが、これらは一夜漬けの投資であり、効果を表すには時間が短かったと指摘。

 金メダルへの報奨金もこれまでの1億ウォン(約715万円)から10億ウォン(約7152万円)へと大幅に増やしたが、現実はスウェーデンとカナダに次いで、世界選手権で歴代3番目となる「ノーメダル開催国」という不名誉を抱く危機に面していると伝えた。(編集担当:李信恵・山口幸治)