日本ではフジテレビに対して「韓流抗議デモ」が行われるなど、韓流ブームに対する反発の声も生まれているが、中国人男性ブロガー「韓寒」さんも、中国でも広がっている「韓流ブーム」に対し、別の角度から不快感を示している。

 ブロガーには15歳の中学生の娘がいるそうで、彼女は韓流スターのSuper Juniorや東方神起に夢中だという。娘のクラスでもほぼ全員が韓流スターのファンとのこと。そんな現状を見て、ブロガーは「これは巨大市場とウラでつながりがあるはず。韓国が好きな中国人が増えれば、韓国製品を買ったり、韓国へ旅行や留学へ行く中国人が増える。韓国のものは、何もかも好きということになってしまうのだ」と分析。韓流ファンが韓国のことを無条件に全肯定してしまうのではないかという危機感を示した。

 韓流ブームとともに、中国でも韓国語熱が高まっているようで、「あんなマイナーな言語を、若者たちは受験勉強の英語そっちのけで勉強している。韓国語は今の中国の若者にとって、大好きな国の言葉ということになっている」という。そして、「韓流スターたちは、単にCMの商品を広告しているだけでなく、韓国という国家の宣伝もしているのだ」、「韓国は国土は小さいのに、文化的影響力はアジアで最大だ」と言い、韓国好きの若者が増えることへの懸念を表明。

 さらに、「この世界には武力侵略のほかに、文化侵略というものがある。例えば日本アニメだ。日本アニメによって、今の若者は日本に侵略された恨みを忘れてしまっている。日本で大地震が起きたときには、年配者よりも若者の方が日本を心配していた。日本が潰れると、自分たちの好きなアニメが見られなくなってしまうからだ」と言い、日本アニメも槍玉に挙げた。

 そして「中国は古来から文化大国であった。いつの時代も様々なものを発明し、隣国へ輸出してきた。だが、現在は文化と呼べるようなものがない。日本や韓国はあれほど独自のものを生み出しているのに。中国のポップカルチャーがもっと発展して欲しい」と、現代の中国文化の影響力の弱さに不満を吐露。その上で「中国は文化的な手段でよそを侵略すべき。文化的侵略であれば、迷惑がられるどころか感謝されるわけだ」と言い、過激な言い回しで中国の文化的発展を願っていた。(編集担当:西山正)