伝統を共有し、痛みは均等なものとなった。アルゼンチンとブラジルは、コパ・アメリカでの悔しさをシェアしている。優勝候補だった両国は、ともに準々決勝で姿を消した。

どちらもメディアとファンから大きな非難を浴びている。昨年のワールドカップ後から代表を率いている両国の指揮官にとっては、ビッグトーナメントでの初テストとなった。アルゼンチン代表のセルヒオ・バティスタ監督が強烈な言葉を浴びせられる一方で、ブラジル代表のマノ・メネゼス監督は「PK4連続失敗の敗退は屈辱的」とされている。

アルゼンチンが準々決勝でウルグアイに敗れた翌日、アルゼンチン紙は「失敗」(クラリン)、「フラストレーション」(ナシオン)などと評した。スポーツ紙『オレ』にいたっては、「さんざんだ」と嘆いている。こういった厳しい批判は大きな悔しさのあらわれであり、それを消化する手段でもある。ブエノスアイレスに戻った際には、ファンが不満の横断幕を掲げており、「ディエゴ、戻ってきて」と、マラドーナ前監督の復帰を求めるメッセージもあった。

『ナシオン』の投票によると、90パーセントの人はバティスタ監督の退任を予想した。また選手個人に対する非難も強烈で、DFパブロ・サバレタ、DFガブリエル・ミリート、MFエベル・バネガ、MFハビエル・サネッティ、FWカルロス・テベス、MFエステバン・カンビアッソ、FWエセキエル・ラベッシなどがターゲットになっている。特に、最後に挙げた3人に対する批判は大きい。満足な評価を受けたのは、GKセルヒオ・ロメロ、FWセルヒオ・アグエロ、FWリオネル・メッシ程度である。

一方のブラジルは、やはりPKの4連続失敗が国民を驚かせた。最も強烈なタイトルは『ランサ』の「呪縛のPKの後の屈辱」だろう。『フォーリャ・デ・サンパウロ』は、1994年ワールドカップ決勝でPKを失敗した元イタリア代表ロベルト・バッジョ氏を引き合いに出した。こちらも指揮官の去就が注目されているが、同国サッカー連盟はメネゼス体制の続投を宣言している。