日本サッカーの一番熱い日、ドラマチックな日。
クラブユース選手権U-18は1次ラウンドの最終日である。

今大会は参加が24チーム。
6組に分かれて総当りのグループリーグを戦って…。
今日ベスト8が決まる。
各組の1位がまず「ピラミッド型トーナメント」に進出確定。
問題は残る2チームだ。
勝ち点、得失点で条件のいいチームが勝ち上がる。
昨年は「勝ち点6&得失点+3」がハードルになった。
ただ今年はもっと大きな得失点差が必要になりそうである。

組分けにかなりの運不運がある。
例えば札幌は初戦で「14-0」という試合をやった。
勝ち点6さえ取れば得失点差的に勝ち上がり確定だろう。
以前は大会規定に「ボーナスチーム条項」があった。
得失点差の計算で各組最下位との対戦を考慮しない制度である。
ただこの規定は確か前回から無くなった。
煩雑だし極端に弱いチームが減ったからだと思う。
ただ今大会はグランセナ新潟が戦力的に落ちる。
得失点差の供給源となってしまった。

第一試合はE組とF組。
2日目を終えた順位がこうなっていた。
E組
1位 横浜F・マリノスユース  勝ち点6 得失差+4
2位 セレッソ大阪U-18   勝ち点4 得失差+1
3位 大分トリニータU-18  勝ち点1 得失差−1
4位 塩釜FCユース      勝ち点0 得失差−4


F組
1位 大宮アルディージャユース 勝ち点6 得失差+3
2位 ガンバ大阪ユース     勝ち点3 得失差+3
3位 アルビレックス新潟ユース 勝ち点3 得失差±0
4位 アビスパ福岡U-18   勝ち点0 得失差−6


E組は横浜F・マリノスとセレッソ大阪が1・2位対決である。
マリノスが引き分け以上で1位抜け決定。
セレッソは勝てば逆転で勝ち抜けだ。
マリノスが前半9分に先制する。
高橋健哉のラストパスから松本翔が決めた。
しかし31分に熊谷アンドリューが負傷退場。
これで流れが変わる。

セレッソ大阪は39分に南野拓実が同点ゴール。
鋭い反転から左足で流し込んだ。
セレッソは後半も猛攻を見せる。
57分、58分には「超」の付く決定機があった。
しかし64分に横浜F・マリノスは高橋健哉が勝ち越し弾!
マリノスは「あと1失点ならOK」という状況になる。
交代起用の剱持和義、鈴木雄斗がチェイシング、キープで貢献。
マリノスが試合の主導権を取り戻して2−1で試合を終えた。
E組1位で「ピラミッド型トーナメント」進出である。

F組は首位・大宮が福岡に先制を許す展開だった。
しかし18分に追いついて後半は突き放す。
次々とゴールを決めて結局7−1の圧勝。
余裕の勝ち点9&1位抜けを決めた。

F組の焦点は2位争い。
ガンバ大阪と新潟が勝ち点3同士の対戦となった。
ガンバが猛攻を見せる。
11分に小谷光毅が先制弾。
13分にも大森晃太郎が決めて前半を2−0で折り返す。
後半は「得失点との戦い」になった。
原口拓人、大森晃太郎が得点を重ねて40分間で5得点。
7−0で試合を終えて得失点差を「+10」まで拡げる。
勝ち点6の2位ながらグループリーグの突破が濃厚な数字だ。

第二試合はA組とB組。
2日目を終えた順位がこうなっていた。
A組
1位 浦和レッズユース     勝ち点6 得失差+5
2位 コンサドーレ札幌U-18  勝ち点3 得失差+13
3位 愛媛FCユース      勝ち点3 得失差−1
4位 グランセナ新潟FCユース 勝ち点0 得失差−17


B組
1位 柏レイソルU-18     勝ち点6 得失差+2
2位 名古屋グランパスU18  勝ち点3 得失差+2
3位 ヴァンフォーレ甲府U-18 勝ち点1 得失差−1
4位 ベガルタ仙台ユース    勝ち点1 得失差−3


A組は浦和と札幌の1・2位対決となった。
浦和が引き分け以上で勝ち上がり。
札幌は勝利が必須条件だ。
3位愛媛も可能性がある。
対戦相手は2試合17失点のグランセナ新潟。
大量得点を奪えば1位は無理でも「2位抜け」が十分に考えられる。

浦和×札幌は堅い展開となった。
前半は決定機がほぼ皆無。スコアレスでの折り返しとなる。
札幌は53分に2トップを入れ替えて鞭が入った。
しかも浦和は67分に藤野友則が警告2枚目で退場!
中盤が小峯洋介、野崎雅也の2枚と薄い布陣になる。

札幌は終盤に奈良竜樹が前線に進出。
葛西大が左サイドからロングボールを合わせる狙いだった。
しかしパワープレーは奏功せず「あと1点」が届かない。
試合の最終スコアは0−0。
一人少ない浦和が逃げ切って勝ち上がりを決めた。

B組は柏レイソルの「楽勝」と思われた。
最下位の仙台から勝ち点1以上を取ればいい。
第2戦からスタメンを5人入れ替えて温存を図った。
しかし仙台が前半18分に先制。
33分には越後雄太のゴールで2点差となる。

柏は仲間隼斗、相馬大士らを次々に投入。
58分に山嵜駿が追いついて1点差。
あと4分の土壇場で仲間隼斗が決めて何とか同点に追いついた。
柏は何とかB組首位を守ったが「苦い勝ち上がり」である。
下平監督も「今日は監督として、大失態を犯すところでした」と吐露している。

さてA組、B組の2位抜けも熱い争いになった。
愛媛はグランセナ新潟から順調にゴールを奪う。
近藤貫太が12分に先制。2−0で前半を折り返す。
後半は強烈なゴールラッシュを見せた。
42分、45分、51分、58分、59分、60分…。
これで8−0。得失点差が+6となる。
「2位の2位」を確保できそうな気配だった。

名古屋も意地を見せる。
前半は1−0と平凡なスコアで折り返した。
しかし54分に投入された中学3年の北川柊斗が大活躍。
59分、70分とゴールを奪う。
71分には大西勇輝が決めて5−0。
3試合通算の得失点差は+7で愛媛と並んだ。

愛媛のゴールラッシュが60分で止まっていた。
ただ総得点の差でまだ名古屋を上回る状態である。
第三試合を見るとそんな極端な得失点差が出そうなチームは無い。
実質的には愛媛と名古屋が「2位の2位」を争っていた。
名古屋は後半ロスタイムの81分に北川柊斗が決めて6−0とする。
ついに得失点差で愛媛を上回った!
愛媛は「残り20分」で得点できず。
素晴らしいチームだったけど1次ラウンド敗退が決まった。
名古屋は「2位の2位」を決めて第三試合を待つ。

第二試合はC組とD組。
2日目を終えた順位がこうなっていた。
C組
1位 東京ヴェルディユース   勝ち点6 得失差+6
2位 鹿島アントラーズユース  勝ち点3 得失差+1
3位 清水エスパルスユース   勝ち点3 得失差−2
4位 ヴィッセル神戸U-18   勝ち点0 得失差−5


D組
1位 FC東京U-18      勝ち点6 得失差+2
2位 京都サンガU-18     勝ち点3 得失差+2
3位 サンフレッチェ広島ユース 勝ち点3 得失差−1
4位 三菱養和SCユース    勝ち点0 得失差−3


C組は1位ヴェルディと3位清水の対戦。
ヴェルディは引き分け以上で勝ち抜け決定。
小差の負けでも可能性がある。
清水は「4点差以上」が逆転の条件だ。

清水は31分に柴原誠が先制。
試合を優勢に進めて前半を1−0で折り返す。
53分にはPKを獲得。
しかし成田恭輔のシュートをGKキローラン菜入がブロック!
清水は決まれば勢いに乗れたかもしれなかったと思う。

ヴェルディは71分に途中出場の相馬将夏が同点弾。
80分には小林祐希が2枚目の警告を受けて退場となる失態もあったが…。
そのまま1−1で試合を終えて勝ち上がりを決めた。
なお鹿島×神戸は3−1で神戸が勝利。
清水はグループ2位だけど「ベスト8」には届かなかった。

D組はまさに「死の組」だった。
FC東京は「勝ち点1以上」で勝ち抜けが決まる。
3位広島との対戦になった。
広島が15分にCKから野津田岳人のヘッドで先制。
1−0での折り返しとなる。

もう1試合は三菱養和が意地を見せていた。
田中輝希、田鍋陵太を負傷で欠いて苦しい布陣である。
しかし近藤貴司が5分、40分とゴール。
2−0とリードを奪って前半を折り返す。

後半は試合が更に過熱する。
FC東京は47分に石原良将が2枚目の警告で退場。
「あと1失点」で敗退が決まってしまう。
数的不利で広島の猛攻を耐える展開となった。
しかしタイムアップ寸前に力尽きた。
広島は80分に宗近慧がヘディングシュート!
パワープレーが決まって2−0でFC東京を退けた。

京都サンガも諦めない。
「残り10分」から猛反撃に出ていた。
駒井善成が70分、74分に決めて同点。
勝ち越せば勝ち点6。
得失点差は広島、FC東京を上回る。
ロスタイムにはバーを叩くシュートもあったらしいのだが…。
三菱養和が「意地」で守り抜いて京都は勝ち越せず。
D組は広島が大逆転の勝ち上がりを決めた。

D組の最終成績はこうです↓
1位 サンフレッチェ広島ユース 勝ち点6 得失差+1
2位 FC東京U-18      勝ち点6 得失差±0
3位 京都サンガU-18     勝ち点4 得失差+2
4位 三菱養和SCユース    勝ち点1 得失差−3


ベスト8進出はこうなった。
1位の1位 大宮アルディージャユース
1位の2位 横浜Fマリノスユース
1位の3位 東京ヴェルディユース
1位の4位 浦和レッズユース
1位の5位 柏レイソルU-18
1位の6位 サンフレッチェ広島ユース
2位の1位 ガンバ大阪ユース
2位の2位 名古屋グランパスU18


詳細な結果、2次ラウンドの組み合わせはこちらでどうぞ。
以上、クラ選U-18第3日のハイライトでした。


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