大人が子供用切符で乗車 こすい不正が増えている?
大人がわざと子供用の切符を買い、電車を乗り降りする不正行為が増えているという。東京都港区の都営地下鉄駅で、駅員が女子高生(17)を強姦しようとした事件が2008年9月3日に報道されたが、女子高生が子供用の切符で改札を通り、それをとがめて駅員休憩室に連れ込んだのがきっかけだったという。不正使用は多いのだろうか。
駅員による強姦未遂事件も、きっかけは子供用切符使用
電車の子供用切符は小学生まで利用することができ、料金は概ね大人の半額だ。大人が子供用の切符を買い不正を働こうとした場合でも自動改札を通ることができる。
朝日新聞は08年8月11日付け夕刊で、「子ども切符で大人乗車 不正横行、摘発を強化」という見出しを掲げ、JR各線で大人が子供の切符で電車に乗る不正乗車が目立つ、という記事を掲載した。埼玉県警鉄道警察隊への取材を基に、同県の主要駅では07年に正規料金を払わずに自動改札を通過し摘発されたのが170件。08年は5月末で190件を超えていて、子供の切符を使って捕まる大人が目につくようになっている。子供の切符を使った動機については、「小遣いを節約したかった」(18歳学生)、「生活費を切りつめたかった」(45歳無職)などが紹介されている。
08年9月3日付け各紙で報道された駅員による強姦未遂事件も、実は女子高生が子供用切符を使ったということから進展していく。都営地下鉄三田線御成門駅で改札口を通った都内の女子高生に「切符がおかしい。話があるからちょっと来て」などと声をかけ、ベッドのある駅員休憩室に連れ込んだ。駅員は暴行を否定しているようだが、女子高生をベッドに押し倒し、体を触るなどの犯行に及んだ。
「遊んでいて交通費まで使ってしまった」
都営地下鉄によると、子供用切符で自動改札を通るとランプが点灯する仕組みになっている。駅員はランプがついた場合は利用者を確認し、明らかに子供でない場合は呼び止めて事情を聞く。間違えて子供用を買っていた場合は追加料金を請求し、悪質な場合は利用した路線の料金の3倍の支払いを求めることになっている。しかし、駅員休憩室などに同行を求めることはあり得ない事なのだそうだ。
都営地下鉄はJ-CASTニュースの取材に対し、大人が子供用の切符を使う不正行為が増えているかどうかは調査していないためわからない、としているが、
「傾向的には若い人の不正行為が多く、交通費を安くしたい、とか、遊んでいるうちに交通費まで使ってしまった、などの理由があるようです」
と話している。それでは他の鉄道でもこうした不正行為が増えているのか、JR東日本、JR九州、東急電鉄なども、
「大人が子供の切符を使う不正行為の調査をしていないため、増えているかどうかについては回答できない」
という答えだった。
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