2008年5月30日、大阪府の橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチームは”小学校35人学級制廃止”、”私立高校授業料軽減助成削減”、”交響楽団補助金廃止”などの方針修正や議論を行った。

プロジェクトチームは財政再建案で「小学校1、2年での35人学級を廃止」する方針を出していた。
35人学級は2004年度から、低学年の子どもにきめ細かな指導をするために導入し「ようやく成果が見えてきたところだ」との声も出ていた。

5月30日に橋下知事は、”国の制度をうまく利用するなどして、府の財政負担を軽くする方策を探る”ことを条件に、35人学級のために加配した現在の教員数の維持を認める考えを示した。
来年度以降も「35人学級にこだわらない『少人数学級』」として事実上続ける方針へ修正した。

また、同30日にプロジェクトチームは私立高校などの授業料軽減助成削減について担当の生活文化部と議論を行った。
チームは当初の削減案を一部修正した提案を行い、
・助成世帯の所得の上限を当初案の年収688万円から540万円に 下げて対象を絞り込む。
・年収288万円までの非課税世帯は助成削減を見送る。
・年収288万円以下の生徒への年間助成額を、当初案の18万円か ら現行と同じ25万円に増額。
・430万円以下の世帯についても16万円から18万円(現行比7万円減)
・生活保護世帯は当初案と同様、現行と同じ35万円

としている。
年間削減額は当初案と同じ約8億9400万円となる。
さらに、助成金削減により利用が増えるとみられる育英会奨学金貸付制度の所得基準(私立高校)も現行の1100万円から809万円に下げるというのだ。

生活文化部は「保護者らの同意は得られないだろう」とさらに見直しを要望したものの、橋下知事は
「義務教育でない以上、所得に応じた学校を選ぶのは当然ではないか」
と主張した。
小学校の35人学級の時と同じく、保護者の反発は必至とみられる。

プロジェクトチームが補助金廃止を打ち出している”大坂センチュリー交響楽団”についても議論された。
同交響楽団は府文化振興財団が運営しているものだ。
その補助金廃止に関して知事は
「行政に携わったり、財界の人だったり、そういう層は、ちょっとインテリぶってオーケストラだとか美術だとかなんとか言うが、お笑いの方が根づいているというのが素朴な感覚」
と発言した。
大阪はお笑い文化も強いが、ミュージシャンも強力でオーケストラやブラスバンドも誇るべきものがある。
そちらからの反論があるかもしれない。

多岐にわたる議論を行う知事の情報を知るだけでも大変さが伝わってくる、体を壊さないように気をつけて欲しい。

(編集部:TAKESHI)