「チームはよりパワーアップできるはずだ。だが、他のビッグクラブはスタープレイヤーを売らないのは確実だ。そこが難しいところだ」

 遅々として進まないミランの補強。上層部からビッグネーム獲得を確約するコメントだけはくり返されているが、チャンピオンズ・リーグを制覇したクラブのサポーターにはやきもきする日が続いている。27日、主力MFガットゥーゾが移籍市場動向について語っている。

「大物が動いたといえるのは、アンリ(アーセナル→バルセロナ)ぐらいか。悪く言うわけじゃないが、今市場は動きが鈍い。ミランはまだ動きをうかがっているところだ。最終的には誰か(大物)がやってくるだろうがね」

 この言葉を選手レベルでの「安心感」ととるか、「危機感の欠如」ととるか。ガットゥーゾはさらに「インターコンチネンタル杯は俺たちのファーストターゲットだ。このタイトルは、ミランに久しく欠けているものだから」「理論上最強のチームがつねに勝つわけじゃない。それはW杯やCLが教えてくれたはずだ」とつづけた。

補強は上層部が危惧すべきことで、選手たちはプレーに専念するのみ。余計なことはベラベラしゃべらない。ミランのようなビッグクラブではそれが徹底している。言い換えれば、現場が上層部に絶大な信頼を寄せている証だともいえる。ロッソネーロ(=ミランの愛称)次期主将の呼び声も高いガットゥーゾが新シーズンを見据えて放つ言葉に、驕りや油断は皆無。“ターゲットは明確、待つべきときは待て”というサポーターへのメッセージなのだろう。