バルセロナ移籍が間もなく正式決定するフランス代表FWティエリ・アンリが、アーセナルサポーターへ最後のメッセージを送った。

 1999年のアーセナル加入以来、クラブの象徴的な存在としてプレーを続けたアンリ。その移籍は、クラブに在籍する若手選手の退団を誘発し、アーセナルの内部崩壊を招きかねないとの懸念も伝えられている。しかし、29歳にして新たな挑戦を決断したアンリは、アーセナルの輝かしい未来を確約している。

「僕の移籍でアーセナルが崩壊するなんてことはあり得ない。このチームはまだ発展途上にあるし、素晴らしいタレントが揃っている。ロビン・ファン・ペルシーやエマヌエル・アデバヨールといった選手が、もっと輝けるチャンスだとも思うしね。彼らには期待しているよ。その実力が証明されれば、僕なんてすぐに忘れられるよ。だって、パトリック・ヴィエラが移籍した時、僕を含めて、みんなが絶望しただろ? でも、セスク・ファブレガスが現われると、『ヴィエラなんて必要ない』って意見が増えたからね。セスクはワールドクラスだし、ファン・ペルシだってそう。アデバヨールはもうすぐそのレベルに達する。あと、トーマス・ロシツキ、イェンス・レーマン、コロ・トゥーレ、ウィリアム・ガラスといった選手もワールドクラスだ。このチームには成功が待っているよ」

 さらにアンリは、8年間の在籍期間中、熱い声援を送り続けてくれたサポーターに、感謝の言葉を送った。

「僕に素晴らしい声援を送り続けてくれて、サポーターのみんなには本当に感謝している。こんな事を言うと、感情的になってしまうけど、僕はあなたたちのことを絶対に忘れません。僕は、このクラブで選手としてだけでなく、人間としても成長したんだ。これからも、僕は一生ガンナーズの一員だ。アーセナルはこれからも僕とともにある。永遠にね」

 悲しみに暮れるアーセナルサポーターに、感謝の言葉を送ったアンリ。キャプテンとして若手選手を牽引し続けた男は、最後にクラブに対する愛を込めたメッセージを残した。その言葉の数々は、デイビッド・デイン副会長の解任騒動などで深まったアーセナル首脳陣との溝の深さを、改めて際立たせたともいえるだろう。