麻生大臣が「漫画のノーベル賞」創設 「マンガは日本の未来を左右する」
「ローゼン閣下」こと麻生太郎外務大臣が2007年5月22日の記者会見で「国際漫画賞」を創設すると発表した。漫画のノーベル賞に位置付けると意気軒昂だ。麻生大臣は「マンガオタク」として知られていて、マンガに対する熱い思いが07年6月8日発売の自著「とてつもない日本」(新潮社刊)にも綴られている。
オタク度全開!「『犬夜叉』もポーランド語になっている」
「国際漫画賞」創設の理由を麻生大臣は記者団にこう語った。
「この種の漫画の精密さ等、漫画というサブカルチャー、ポップカルチャーといったものが持つ発信力というものを更に高めていきたい」
また、記者とのやり取りで受賞対象となるマンガの言語を質問されると、
「今、『犬夜叉』(少年サンデーに連載)も、ポーランド語になっていると思いますから」と、マンガオタク全開のコメントを出した。
麻生大臣がマンガを読み始めたのは、子供のころの『のらくろ上等兵』、『冒険ダン吉』から。今では少年誌、青年誌などあらゆるジャンルのコミックを、週に10冊から20冊読んでいるという。海外にいるときは日本から送ってもらい、選挙中も車の中で読む。「ローゼン閣下」というあだなは、麻生大臣が車の中で「ローゼンメイデン」を読んでいた、という噂からきている。このマンガには、濃い美少女キャラが出てくる。
自著「とてつもない日本」には、
「マンガにはマンガの効用もある。それも、現在の日本を左右しかねないほどのパワーである」
と書き、その影響力を解説している。例えば、日本の産業用ロボットの技術、普及率が世界最高なのは「鉄腕アトム」「ドラえもん」という名作があったためだ。「沈黙の艦隊」、「加治隆介の議」などは、「高い思想性、政治性を読者に要求している」。そして、ジダンや、トッティがサッカーを始めたのは、「キャプテン翼」を見たからだ、と説明。「日本の首相の名前は知らなくても『翼』は知っている」。また、アジア諸国で日本語を勉強する子供達は90年が98万人だったのが、03年に235万人になった。その理由の一つが、「アニメの主題歌が日本語だということ」としている。
若い層から大臣に宛てた手紙も増えている
政治家が「マンガオタク」というのは、マイナスのような気もするが、麻生大臣は、
「マンガ好きなのは事実であるし、隠してもいないから問題ではない」
と堂々としたものだ。こんな姿がネットで受け入れられ、麻生さんを応援するフラッシュ映像などが作られるなど「熱狂的ファン」も出ている。
「マンガ」「オタク」が話題になってから、講演会などに引っ張りだこなのだという。麻生大臣の衆議院議員事務所はJ-CASTニュースの取材に対し、若い層から大臣に宛てた手紙などもかなり増えていることは認める。ただ、
「マンガをきっかけに、幅広い年齢層の方に支持されるのはありがたいことです。だからといって、(新しい支持者にむやみに迎合するなど)大臣や我々周辺 (の基本姿勢)がブレることはありません」
とし、「マンガ大臣」人気を冷静に見ているようだった。