「朝ズバッ!」捏造疑惑について郷原議長は「報道の娯楽化が問題だ」と語った

写真拡大

   不二家が外部に設置した信頼回復対策会議の議長を務めた郷原信郎桐蔭横浜大学コンプライアンス研究センター長は2007年4月6日、都内で記者会見を開き、TBSの情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」の捏造疑惑について「不二家とTBSだけの紛争でなく、メディアと企業社会全体に関わる問題だ」と述べ、あらためてTBS側の対応の問題性などを指摘した。さらには今回の疑惑の背景に「報道の娯楽化がある」と分析した。

   J-CASTニュース「郷原議長が公開質問状送付 『TBSは捏造疑惑に向き合え!』」で報じたとおり、信頼回復会議の会見でTBS・不二家の協議の際の音声公開を批判するコメントをTBSがしたことについて、郷原議長はTBS側に公開質問状を送付していた。この日の会見では、現時点で公開質問状に対する回答が寄せられなかったとし、「お答えがなければ(メディアなどを通じて)表に出して発言していく、それを繰り返していくしかない」と語った。

   さらに、「朝ズバッ!」の捏造疑惑について、「報道の娯楽化に(問題が)あるのではないか」と指摘。

「報道が娯楽化してしまうことで、社会的に見ても大きな害悪をもたらすと言わざるを得ない」

と、「朝ズバッ!」の報道が不二家にあたえた損害などを踏まえたうえで、今回の問題について語った。

「いま一番の被害者はTBSの報道局ではないか」

   また、記者の「TBSと『朝ズバッ!』のどちらに『捏造問題』についての根本的な問題があるのか」という質問に対しては、

「TBSすべての番組すべて認識しているわけではないので正確なことはいえないが、報道と娯楽が結びついている端的な例が『朝ズバッ!』ではないだろうか。報道局で作っている番組には大きな問題があるとは思ってないが、制作局で作っているニュースに問題があるのではないか。そのような印象を持っている」

とし、

「いま一番の被害者はTBSの報道局ではないか。会社として一体と見られるわけだから、TBSがやっていることがデタラメだと見られるとすると、報道局の大きな迷惑になっているのではないか」

と述べた。

   郷原議長は、信頼回復会議の「最終報告」において「TBSの対応次第で不二家はTBSにたいし法的措置をとることを検討すべき」としていたが、この日の会見では、「(不二家から)相談があったら、精一杯アドバイスをする」と話した。