中国でも、最近でこそ曹操の評価が上がってきてはいるものの、やはり三国志演義の影響か、良いイメージを持たない人が多いようで、日本人の曹操好きは理解に苦しむ面もあるようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国4大名著の1つである三国志。日本でも三国志に関する小説やゲームなどが多く存在し、なかでも劉備玄徳や諸葛孔明などと並んで、曹操の人気が日本では非常に高い。

 中国メディアの今日頭条は、「なぜ日本人は熱狂的なまで曹操を尊敬するのか」と題して、日本人から見た曹操について紹介する記事を掲載した。日本人の曹操好きは、一見すると日本人の国民性とは符合しないように見えるが、実際にはそうでもないという。

 記事は、日本における曹操の評価は、「優秀な政治家であり文学者」というもので、東アジア文化に多大なる貢献をしたと非常に高く評価されていると紹介。曹操がいなければ魏書はなく、魏書がなければ倭人伝もなかったため、邪馬台国時代の日本の歴史を知ることはできなかっただろうとしている。

 しかし、日本人の曹操人気は、日本の文化からすると矛盾しているように感じると記事は指摘。君臣関係や等級を重視し、反逆を非としているからで、加えて劉備玄徳や諸葛孔明が好きな日本人が多いからだという。

 だが、記事によると、これは一見矛盾するように思えるだけで、日本文化を深く知ると、曹操好きは日本人の思考パターンによく合致しているという。その理由の1つに、日本人にとっての三国志はあくまでも外国の歴史であって、いずれかに加担しようという意図は毛頭ないことがあげられると記事は分析した。ゆえに、劉備も孔明も曹操も好きということが成り立つのだという。

 また、日本人は「強者を崇拝する」習慣があると主張。曹操については悪い面もあるものの、成功者であることには違いないため、日本人から好かれるのも理解できると論じた。それで最後に、「日本人からすると、政治家としての劉備は理想を追い求める理想主義者で、曹操は実際の状況を把握するのが得意な現実主義者なのだ」と結んだ。

 中国でも、最近でこそ曹操の評価が上がってきてはいるものの、やはり三国志演義の影響か、良いイメージを持たない人が多いようで、日本人の曹操好きは理解に苦しむ面もあるのかもしれない。中国人と三国志について語り合うのも一興ではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)