【前園真聖コラム】第172回「齋藤学の移籍に感じる決意」
齋藤学が川崎に移籍しました。しかもフリートランスファーと聞いてびっくりです。この話は僕にとって青天の霹靂で、ネットニュースで第一報を読んで目を疑いました。
昨季絶好調だったのに、9月に全治8カ月という右膝前十字靱帯損傷のケガを負い、本人にとっては苦しいシーズンだったと思います。まだ万全ではないでしょうし、今シーズンの開幕にも間に合わないかもしれません。齋藤は昨シーズン、いろいろな意味で悔しい思いをしたことでしょう。
大きなケガをしてしまった後です。本当だったら、自分が慣れ親しんだクラブで、よく知った環境の中で復帰するほうが、ある意味では楽でしょう。クラブに愛着はあったでしょうし、クラブもいろいろなことに気を遣ってくれたはずです。本人も十分そのことは理解していただろうと思っています。
それなのに、移籍を決心したというところで、僕は齋藤の並々ならぬ思いを見る気がします。しかも移籍先は、小林悠、大久保嘉人、阿部浩之、家長昭博と、一線級が揃っている昨シーズンのチャンピオン。そんなメンバーがいる中に、出遅れを覚悟しながら飛び込んでいくのは、普通の勇気ではできないことです。「もし、ここでダメだったら……」という決意が表れています。
ドリブラーの齋藤は僕がとても好きなタイプです。でも、そのことを別にしても、ベテランの域に達しながら、あえてここでチャレンジする齋藤を、僕は讃えたいと思います。
ただ、ケガをしたときにこのコラムでエールを贈ったときと同じ心配もしています。どうかちゃんとケガを治してから復帰してほしい。ワールドカップに間に合うかどうかなんて考えなくてもいい。焦ってはいけない。いい状態でピッチに戻ってきてほしいと心から願います。
齋藤が万全になれば、ひとりだけでピッチに違いをもたらせます。そんな齋藤がもう一度見られる楽しみを、僕はじっくり待ちます。
昨季絶好調だったのに、9月に全治8カ月という右膝前十字靱帯損傷のケガを負い、本人にとっては苦しいシーズンだったと思います。まだ万全ではないでしょうし、今シーズンの開幕にも間に合わないかもしれません。齋藤は昨シーズン、いろいろな意味で悔しい思いをしたことでしょう。
それなのに、移籍を決心したというところで、僕は齋藤の並々ならぬ思いを見る気がします。しかも移籍先は、小林悠、大久保嘉人、阿部浩之、家長昭博と、一線級が揃っている昨シーズンのチャンピオン。そんなメンバーがいる中に、出遅れを覚悟しながら飛び込んでいくのは、普通の勇気ではできないことです。「もし、ここでダメだったら……」という決意が表れています。
ドリブラーの齋藤は僕がとても好きなタイプです。でも、そのことを別にしても、ベテランの域に達しながら、あえてここでチャレンジする齋藤を、僕は讃えたいと思います。
ただ、ケガをしたときにこのコラムでエールを贈ったときと同じ心配もしています。どうかちゃんとケガを治してから復帰してほしい。ワールドカップに間に合うかどうかなんて考えなくてもいい。焦ってはいけない。いい状態でピッチに戻ってきてほしいと心から願います。
齋藤が万全になれば、ひとりだけでピッチに違いをもたらせます。そんな齋藤がもう一度見られる楽しみを、僕はじっくり待ちます。
1973年生まれ。横浜フリューゲルス、ヴェルディの他、ブラジルなどでプレー。アトランタ五輪では、主将として28年ぶりに五輪出場を決めた。2005年引退後は解説の他、少年サッカー普及に従事。2009年、ビーチサッカー日本代表としてW杯に出場。ベスト8に貢献した。