【前園真聖コラム】第157回「日本代表に来られなかったドリブラーへ」
僕は自分がドリブラーだったので、日本代表選手の中でも自分と同じタイプの選手、乾貴士、香川真司、原口元気などが気になります。個人の力で局面を打開できるドリブラーはひとりで局面を変えることができるので、貴重だと思うのです。
ですから、齋藤学が右膝前十字じん帯損傷で全治8カ月の負傷をしたというニュースを聞いて、とても残念に思いました。齋藤は日本屈指のドリブラーですし、今季好調を維持していました。
僕自身も左足首を脱臼骨折したことがあり、リハビリがどれくらい辛いものか、よくわかります。齋藤も今、様々な思いが去就して大変なことでしょう。来年のワールドカップまでに復帰して、何としてもメンバーに選ばれたいという思いもあるでしょうし、前回ワールドカップで活躍できなかった雪辱をしたいという考えもあるかもしれません。
ですが、自分の経験から言えば、ここは余計なことを考えるのを止めて、ただ復帰することにだけ集中したほうがいいと思います。ワールドカップに出たい、あの試合に間に合わせたいなどと考えると、どうしても身体に対する注意が疎かになります。治りきっていないのに無理をすると、後々のプレーに影響を与えるのです。
こういうケガをしたときは、人間性を磨くチャンスでもあります。今まで当たり前と思っていたことが、どんなにありがたいことだったのか、よくわかるのです。歩けることのありがたみがわかると、それまで以上にサッカーをすることに対しての情熱も湧きます。それにケガをした部位はそれまでよりも強くなって復活することもあるのです。
一度ワールドカップを忘れることが大切でしょう。ワールドカップはサッカー人生のすべてではありません。一番大切なのは、しっかりケガを治すこと。そうすることで、ロシアへの道を含むいろいろな可能性が生まれるのではないかと思います。齋藤学選手、どうかがんばってください。
ですから、齋藤学が右膝前十字じん帯損傷で全治8カ月の負傷をしたというニュースを聞いて、とても残念に思いました。齋藤は日本屈指のドリブラーですし、今季好調を維持していました。
ですが、自分の経験から言えば、ここは余計なことを考えるのを止めて、ただ復帰することにだけ集中したほうがいいと思います。ワールドカップに出たい、あの試合に間に合わせたいなどと考えると、どうしても身体に対する注意が疎かになります。治りきっていないのに無理をすると、後々のプレーに影響を与えるのです。
こういうケガをしたときは、人間性を磨くチャンスでもあります。今まで当たり前と思っていたことが、どんなにありがたいことだったのか、よくわかるのです。歩けることのありがたみがわかると、それまで以上にサッカーをすることに対しての情熱も湧きます。それにケガをした部位はそれまでよりも強くなって復活することもあるのです。
一度ワールドカップを忘れることが大切でしょう。ワールドカップはサッカー人生のすべてではありません。一番大切なのは、しっかりケガを治すこと。そうすることで、ロシアへの道を含むいろいろな可能性が生まれるのではないかと思います。齋藤学選手、どうかがんばってください。
1973年生まれ。横浜フリューゲルス、ヴェルディの他、ブラジルなどでプレー。アトランタ五輪では、主将として28年ぶりに五輪出場を決めた。2005年引退後は解説の他、少年サッカー普及に従事。2009年、ビーチサッカー日本代表としてW杯に出場。ベスト8に貢献した。