「うがい」は平安時代から行われていたらしく長く歴史のある健康習慣であることをご存知でしょうか。しかし風邪やインフルエンザの予防として「うがい」を実践するのは、日本と韓国くらいのものらしく外国では殆ど行われていないようですからびっくりですよね。「うがい」に一体どれくらいの風邪予防効果はあるのかについて調べてみました。

「うがい」は水道水やミネラルウォーターですれば十分

2002年から2003年の冬場に、京都大学の川村孝教授らによる実験で18~65歳の390人の一般市民ボランティアを被験者として次のような実験が行われています。「水でうがいをするグループ」「ヨード液でうがいをするグループ」「うがいをしないグループ」の3つに分けて2か月間それぞれうがいをしてもらった結果、「水でうがいをしたグループ」は「うがいをしないグループ」より風邪を引いたのが40%の減少。「ヨード液でうがいをしたグループ」は「うがいをしないグループ」より風邪を引いたのが12%の減少となったのです。

つまりうがいぐすりを使わない方が風邪予防になったということ。これは一体なぜでしょう。「ヨード液でうがいをしたグループ」は口腔内の正常な細菌まで除去されたと考えられ、「水でうがいをしたグループ」の方が予防には有効だと報告されています。いずれにしてもこの実験から分かることは「うがい」には効果があるらしいということがうかがえます。

できれば緑茶・塩水の効果も取り入れたい

2006年、浜松医科大の野田教授らの研究グループは、2歳から6歳の子ども約2万人を対象に「1日1回以上、緑茶、水道水、食塩水のいずれかでうがいをする子ども」と「うがいをしない子ども」の2つのグループに分けて20日間実験を行いました。結果は「緑茶でうがいをした子ども」は「うがいをしない子ども」に比べて風邪を引いた割合が68%も少なく、「食塩水でうがいをした子ども」は50%少なく「水道水でうがいをした子ども」は30%少ないというという結果が出たようです。アメリカのミネソタ州にあるメイヨークリニック総合病院のハーゲン医師は無作為に選んだ400人の被験者に1日3回、食塩水で「うがい」をしてもらった結果、呼吸器系の感染率を40%減少させることが出来た、という報告があるようです。

「うがい」の予防効果についての懐疑的意見もあるにはあるが

ウィルスが鼻から入り、のどの細胞内に侵入する時間は15秒程とされていて、さらに口の奥を「うがい」しても、感染する経路的には鼻に近い方の喉なので、ウィルスを除去するのは難しいなどの意見もあり、うがいの効果を否定する専門家もいますが、多くの専門家はうがいに肯定的です。「うがい」の効果につていの実験例は少なく確実に効果があると結論づけるにはさらなる研究が待たれますが、口腔内のウィルスの増殖を抑える効果は確定的ではないまでも期待できるとは言えそうです。


writer:Masami