日本が導入を計画している陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」に中国メディアが注目。全体的な性能は在韓米軍に配備されたTHAADを上回る、と警戒している。資料写真。

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2017年10月6日、日本が北朝鮮の弾道ミサイルの脅威などに備えて導入を計画している陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」に中国メディアが注目している。海上自衛隊のイージス護衛艦との互換性が高いとも指摘。全体的な性能は在韓米軍に配備された高高度迎撃ミサイル(THAAD)を上回る、と警戒している。

日本の弾道ミサイル防衛(BMD)は海上に展開する海上自衛隊のイージス艦が、まず宇宙空間で迎撃し、撃ち漏らした場合は航空自衛隊の地上配備型迎撃ミサイル・パトリオット(PAC3)が大気圏内で迎撃する二段構え。イージス艦と同じ迎撃性能を持つイージス・アショアの導入で、宇宙空間で迎撃する体制が厚みを増すことになる。

弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮を念頭に小野寺五典防衛相は8月に訪米した際、マティス米国防長官に米国が開発したイージス・アショアを導入する方針を伝えて協力を要請。防衛省は2018年度予算の概算要求に額を明示しない「事項要求」として盛り込んだ。

イージス・アショアは2基あれば日本列島をカバーできるとされ、本体費用は1基約800億円と見込まれる。米国との協議で金額を確定させた上で、18年度当初予算案に基本設計費を計上する方針だ。運用開始の時期は23年度の予定だが、早まる可能性もある。

イージス・アショアについて、中国網は「『北朝鮮のミサイルの脅威』を口実に日本のミサイル防衛計画が再び加速している」と報道。米ディフェンス・ニュース(電子版)などを引用して詳細に伝えている。

この中では「配備先は南北に分かれる」と指摘。「北部は秋田県の加茂分屯基地、もしくは新潟県の佐渡分屯基地。南部は長崎県の海栗島分屯基地、もしくは長崎県の千年基地。これらの基地は現在、空自ミサイル防衛早期警戒レーダー網の一部になっている」と報じている。

性能に関しては「イージス・アショアは先進的なSM3ブロック1A迎撃ミサイルを使用しており、将来的には日米で共同開発するSM3ブロック2Aミサイルに交換する」と説明。「同ミサイルは衛星攻撃能力を持ち、全体的な性能はTHAADをはるかに上回る。SM3ブロック2B新型ミサイルは20年に開発され、迎撃高度は500キロに達し、長距離ミサイルを迎撃する能力も持っている」としている。

さらに「作戦体制を見ると、日本の洋上・陸上イージスシステムは互換性が高く、艦載システムと陸上システムはデータリンクで連結し、情報を共有できる」と強調。「日本海側にイージス・アショアを2基配備すれば、海自のイージス艦の圧力を分担できる。日本は陸上・洋上で同時に長距離警戒・監視を実施できるようになる」とも述べ、中国側の関心の高さをうかがわせている。(編集/日向)