唐沢寿明、役者に数字は関係ない たとえ1%でも全力の役者魂
地上波やHuluで放送されたドラマが人気を博し、この度『ラストコップ THE MOVIE』として映画化もされたシリーズに主演した唐沢寿明。長く芸能界の第一線で活躍し、「愛という名のもとに」「ラブコンプレックス」「白い巨塔」などのドラマで高視聴率を叩き出してきた唐沢が、「観てくれる人がすべて。視聴率は二の次だよ」と視聴率に重きを置くテレビ業界に一石を投じつつ、自らの芝居に向き合う姿勢について語った。
本作は30年の昏睡(こんすい)から目覚め、感覚は昭和のままの熱血刑事・京極浩介(唐沢)と、京極の影響でゆとり世代の草食系から若手暴走刑事へと進化した望月亮太(窪田正孝)のタッグが楽しい「THE LAST COP/ラストコップ」の劇場版。ドラマ版に続き佐々木希や和久井映見、藤木直人らが出演しており、アクションはパワーアップ。途方もない展開にまさかの感動が加わったエンターテインメント作品だ。
「人間は好き嫌いでしか物事を判断できない」という持論から、賞レースや視聴率をあまり気にしていないという唐沢。万人に好かれることが難しいからこそ、「僕は1%でも観ていてくれる人がいる限り、全力を尽くします」とその信念を明かす。そして「どんなふうに観てくれても、どんなふうに思っても、それは観た人の自由。楽しんでもらうために真剣にやるのが僕らの仕事です」と続けた。どんな状況でも最後までやるという姿勢を大切にしているそうで、「その点では僕、信用あると思います」と自信を見せた。
全体的にテレビの視聴率が落ちてきている現状だがそのことについて、「(視聴方法が多様になった分)実際は数字に出てるよりももっと観てくれていると思いますよ」と唐沢は分析する。そして、「演じる僕らには基本、数字は関係ないです」と力強く断言。「常に真剣にやっていれば必ず観てくれる人はいるって僕は信じています。(視聴率が低いからと)役者が手を抜いたらそれは映像に出てしまう」と真剣な表情で自らの仕事への向き合い方を説明した。
「ドラマのほうは、滅茶苦茶で普通ならアウトなところもあったけど、観ている人が許してくれて成立させてくれた」と視聴者への感謝の言葉を度々口にする唐沢は、「そういう破天荒なことができる作品はほかにないのでこういうコンテンツは無くしちゃいけないと思いますし、映画はそういうところも魅力だと思います」と作品をアピールしていた。(取材・文:早川あゆみ)
映画『ラストコップ THE MOVIE』は全国公開中