日本と中国の街角の風景にはそれぞれ日本らしさと中国らしさがある。日本の街の特長の1つとして清潔さを挙げる中国人は非常に多いが、高度に発達した国であるはずの日本の街で空を見上げてみると、電線が張り巡らされているのは中国人にとっては不可解な光景のようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本と中国の街角の風景にはそれぞれ日本らしさと中国らしさがある。日本の街の特長の1つとして清潔さを挙げる中国人は非常に多いが、高度に発達した国であるはずの日本の街で空を見上げてみると、電線が張り巡らされているのは中国人にとっては不可解な光景のようだ。

 日本でも無電柱化や電線地中化は議論がなされてきたが、地中化はまだほとんど進んでいないと言える。なぜ日本ほどの国が電線を地中に埋めることができないのかと不思議に感じる中国人は多いようだが、中国メディアの今日頭条は13日、日本で電線地中化が進まない背景には「中国人が想像もつかない理由」が関係していると説明する記事を掲載した。

 記事はまず地中電線と地上電線のコストパフォーマンスの違いを指摘、停電の確率は地中電線の方が低いが、もし地中電線にトラブルが生じると復旧に時間がかかることを紹介した。また地中電線が老朽化したときに必要とされる交換費用は地上電線の何倍にもなると説明した。

 また洪水などによって電力供給に問題が生じたとき、地中電線の場合はどの部分に問題があるかを見極めるのが難しくなると指摘、さらに地震によって地中電線が断線した場合は地面を掘る作業が必要となるとも説明した。

 また、日本は地上電線であっても停電時間はかなり短いと指摘、そしてこの優れた特長は日本が自然災害に遭遇しても電力を供給し続けるための非常に高いレベルの技術獲得に邁進してきたからだと称賛、すでに地上電線が張り巡らされている日本にとって「すべての電線を地中に埋めるのは莫大な予算が必要となるうえ、地中電線に切り替えるメリットがさほど大きくないことの2点が日本の街に電線が未だに張り巡らされている理由だ」と指摘した。

 予算不足と災害が生じた時に復旧しにくいという点が記事の要点になるが、記事が「中国人が想像もつかない理由」としているのは、中国人には災害の多い日本における地上電線の合理性を理解するのは難しいという理由によるのだろう。東京では2020年の東京五輪に向けて電線地中化が進められているが、都道の地中化を行うだけでも8000億円規模のコストがかかると予測されている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)