日本政府は韓国の朴槿恵大統領を伊勢志摩サミットの拡大会合に招待することを計画したが、日程調整がつかず断念。大統領就任4年目になっても、来日が実現しないという日韓の異常事態は続いている。写真は韓国大統領府の資料。

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2016年5月28日、日本政府は27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)拡大会合に韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の招待を計画したが、日程調整がつかず断念した。大統領就任から今年で4年目。任期は5年で残された時間は多くない。隣国同士の日本と韓国の異常事態は続いている。

韓国の国家元首が国賓として来日したのは、1984年9月の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領が初めてだった。前年10月には大統領を狙った北朝鮮による「ラングーン爆弾テロ事件」があっただけに、東京には厳重な警備態勢が敷かれた。歓迎の宮中晩さん会で昭和天皇は「今世紀の一時期において両国の間に不幸な過去が存在したことはまことに遺憾であり、繰り返されてはならない」とのお言葉を述べた。

後任の盧泰愚(ノ・テウ)大統領も1990年5月、国賓として来日。韓国大統領として初めて衆院で演説した。金泳三(キム・ヨンナム)、金大中(キム・テジュン)両大統領は在任中に国賓で来日。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は2003年6月に国賓として来日したほか、小泉純一郎首相との間で、日韓両国首脳が年1回相互訪問する「シャトル外交」を展開した。

シャトル外交は中断を挟んで李明博(イ・ミョンバク)大統領にも引き継がれた。李大統領の来日はシャトル分を含め在任中計7回にも上ったが、竹島(韓国名・独島)問題などもあり、いずれも国賓扱いではなかった。

昨年12月末、ソウルで朴大統領と安倍晋三首相の日韓首脳会談が開かれ、懸案の慰安婦問題に一応の決着がついたことから、日本政府は伊勢志摩サミットの拡大会合に大統領を招くことを検討。韓国側と水面下で日程調整を進めた。

サミット議長国は拡大会合に主要7カ国以外の首脳や国際機関の代表を招くのが通例で、今回はインドネシアやベトナム、ラオスの首脳や潘基文(パン・ギムン)国連事務総長らが参加した。2008年7月の北海道洞爺湖サミットの際には、李明博大統領が福田康夫首相の招待を受けて訪日している。

しかし、日程調整は不調に終わり、朴大統領は25日からのエチオピア、ウガンダ、ケニア、フランス訪問に出発。日本政府は今年、日本で開かれる予定の日中韓首脳会談時の来日に期待をつないでいる。

韓国・聯合ニュースによると、大統領には経済使節団は計166社の169人が同行。大統領府は「アフリカ3国は道路や港湾、通信、電力設備などのインフラ構築政策を進めており、中東と東南アジアに続く新市場として浮上する可能性がある」などと説明している。

朴大統領の父親の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領は、軍事クーデターで政権を掌握した後、1961年11月に「国家再建最高会議議長」の肩書で来日。日韓交渉を打開するため、池田勇人首相らと会談したが、大統領としては日本を訪れていない。1972年10月には訪日計画が発表されたものの、その直後、全土に非常戒厳令を布告して大統領任期の延長や維新憲法の制定などの「十月維新」を断行、計画は幻に終わった。(編集/日向)