北米などを中心に好調のボルボXC90は、「北米トラック・オブ・ザ・イヤー」、「2016 SUVオブ・ザ・イヤー」に輝くなど、世界的な話題を集めている新世代ボルボを象徴するモデルといえるでしょう。

日本でも1月27日の発売以来、3月末までの約2カ月で300台以上を受注しているそうです。

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新しさを感じさせる内・外装だけでなく、パワートレーンも見どころ満載。

なかでも1000万円超えとなるプラグインハイブリッドの「XC90 T8 Twin Engine AWD Inscription」は、環境性能だけでなく動力性能などXC90を象徴するモデル。

フロントに搭載されるエンジンは、2.0Lの直列4気筒直噴ガソリンターボにスーパーチャージャーを加えたダブル過給器付き。それに加えて87ps(65kW)、240Nmを発揮するリヤモーターが後輪を駆動する4WDとなっています。トランスミッションは他グレードと同じように8ATを搭載。

気になる燃費は15.3km/Lで、200Vで2.5〜3時間かかるという充電電力使用時の航続可能距離は35.4km。近所への買い物などなら充電電力でもまかなえそうです。

なお、システムトータルでは407ps/640Nm(欧州参考値)と大出力を誇り、燃費だけでなく動力性能への期待も高まります。

また、PHV化によりボディ補強など一部手が入れられています。

トンネルは高電圧バッテリーを積むためボディ中央部が高くなっていて、リヤのフロアはハイブリッドコンポーネント搭載のためガソリン仕様よりも高く、サイドシルにはガソリン仕様よりも370mm長い補強メンバーが配置されているそうです。

それでも7人乗りを実現しているのもポイントで、バッテリーは車両の中央に配置し、リヤモーターによりドライブシャフトが不要など、巧みなパッケージングも自慢です。

SUVのPHVは最近モデル数が増えていて、BMW X5をはじめ、レクサスRXや三菱アウトランダーなどもありますが、7人乗りのXC90(PHV)は確かに強み。

あとは1009万円という価格でしょうが、ボルボが高級ブランドとしても認知されるには1000万円超という価格帯は不可欠でしょうし、それを最上級SUVのプラグインハイブリッドで提供するというのは確かな戦略といえそうです。

(文/塚田勝弘・写真/前田惠介)

1000万円超となるボルボ・XC90 プラグインハイブリッドの強みとは?(http://clicccar.com/2016/05/11/370724/)