バスや地下鉄などの公共交通機関の発達、そしてマイカーの普及により自転車の利用が以前より減ったとはいえ、中国はなおも「自転車大国」だ。中国メディア・捜狐は24日、自転車大国・中国からみた日本の自転車文化について紹介する文章を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 バスや地下鉄などの公共交通機関の発達、そしてマイカーの普及により自転車の利用が以前より減ったとはいえ、中国はなおも「自転車大国」だ。中国メディア・捜狐は24日、自転車大国・中国からみた日本の自転車文化について紹介する文章を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

 文章は、自動車大国である日本が「中国、米国に次ぐ第3の自転車大国でもある」と紹介。人口密度の高さからくる道路の狭さと、日本国民の耐え忍ぶ性格が相まって「独特な自転車文化が形成されている」と説明した。そのうえで、日本でもっともよく利用されている自転車として「ママチャリ」を挙げ、一般的にカゴやチャイルドシートが取り付けられていると紹介した。

 また、土地の狭さゆえに自転車専用レーンが基本的に存在しないと解説。「自転車のインフラ整備においては、日本は他国より遅れている」とし、自転車が車道を走ったり、歩道を走ったりする状況であると伝えた。同時に、歩道を走るさいには歩行者優先であり、歩行者に対して呼び鈴を鳴らして道を空けさせるようなことは「社会的な道徳観念」上認められないとした。

 さらに、夜間の点灯や2人乗り禁止、傘さし運転禁止といった厳しい交通ルールが設けられており、近年の自転車と歩行者との事故の急増をうけて、今年6月に自転車の違法行為に対する罰則が強化されたことを紹介した。

 国土が狭い日本において、ちょっとした移動に便利な自転車の生存環境が十分に整備されていないという状況は、中国に住む人たちにとってはいささか奇妙に思えるかもしれない。近ごろでは日本国内でも自転車専用レーンや車道の脇に自転車専用帯が設置される道路が増えきたが、その数はまだまだ少なく、自転車や歩行者の安全性が確保できているとは言い難い。

 中国人観光客が増加し、その旅行形態が多様化すれば、各地でレンタサイクルが盛んになるかもしれない。トラブルや事故を防ぐためには、各地で自転車をとりまく環境の整備を進めると同時に、「日本独自の自転車文化」を大いに紹介してもらう必要がありそうだ。(編集担当:今関忠馬)