来る7月17日、第147回芥川・直木賞選考会が開催される。それを記念して、またまた候補作を全部読んでみた。まずは直木賞篇である。候補者5名のうち、辻村深月と貫井徳郎が3回目で、あとはすべて初候補作入りという新鮮な顔ぶれだ。2008年の第138回以来、9回ぶりに時代小説の候補作がない直木賞でもある。今回、最年少の朝井リョウが受賞を果たせば23歳での快挙となり、戦後では平岩弓枝(第41回)の27歳4ヶ月を塗り替え、1940