ガソリン代にお菓子の包装、半導体を使う家電の価格。身近な値札や棚の変化が、遠い中東の戦争とつながっているとしたら、どう受け止めるだろうか。イラン情勢は一時の話題にとどまらず、世界経済の仕組みそのものを組み替えつつある。なぜ今あらためて整理が必要なのか、その背景から話が始まる。
 
実業家・マイキー佐野氏は、動画内で戦域が広がった経緯を時系列でたどる。要衝の海峡では通航する船が激減して海運が麻痺し、紅海でも武装勢力による海上封鎖の宣言を受けて船舶の運航が滞った。原油価格の高騰で日本を含む各国は備蓄の放出に動き、湾岸諸国は陸上の輸送網づくりに巨費を投じた。米国は備蓄を使い果たしながら輸出大国の顔も見せるなど、構図は一筋縄ではいかない。
 
注目点は石油だけではない。佐野氏が光を当てるのは、半導体製造や医療、通信、宇宙の現場を支えるヘリウムだ。代替の利かない超低温の冷却媒体が、原油価格以上に深い構造的ダメージを受けているという。台湾や韓国の大手半導体メーカーは在庫の取り崩しで操業を維持するものの、長引けば利益率の低下や製品価格への転嫁が避けられない。石油精製の副産物である硫酸やナフサも逼迫し、肥料や半導体の洗浄工程、さらにはスナック菓子のパッケージにまで余波が及んでいる。
 
地政学の面でも変化は大きい。中東の安全保障を支えてきた前提そのものが揺らいでいる。長く米国の軍事力に頼ってきた中東では、米軍基地が直接攻撃を受けたことで不信感が募り、地域の有力国が自前の防衛同盟に踏み出した。資金や技術、抑止力を持ち寄る構造も特徴的だ。周辺国も関心を寄せ、多角化とブロック化が同時に進行中だ。
 
戦争の長期化で米国は戦費がかさみ、政権への視線も厳しさを増した。イランでは経済が急速に悪化し、政権は負担を国民に転嫁して耐えている。輸送コストの上昇は各国の金融政策の流れも止め、日本の調達コストにまで波及した。この混乱で最も得をした国がどこなのかも、動画の聞きどころの一つだろう。中間選挙を控え、戦争の行方がどう絡むのかが焦点になっている。
 
家計や仕事への影響を漠然と不安に感じている人にとって、世界の動きを一本の線でつなぐ視野が広がる内容だ。

チャンネル情報

マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営