コントロールラインを通過した瞬間、角田裕毅はステアリングを殴りつけた。F1第11戦オーストリアGP、予選Q2最後のアタック。傍目にはほぼ完璧なアタック見えたが、ターン7の入口でわずかにリアがスナップして、ステアリングを修正した。2位から14位までが0.4秒にひしめく超僅差のなかでは、そんなほんのわずかなタイムロスが命取りになる。そのミスでQ3進出を逃したことが、角田には直感的にわかっていたのだ。角田裕毅の走