ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(Oneohtrix Point Never以下、OPN)ことダニエル・ロパティンは、その作品を通じて断続的に自身の過去の記憶と向き合ってきた。サウンドガーデンなどのグランジ/オルタナを聴いていた思春期の記憶に触発された『Garden of Delete』(2015年)、幼少期にラジオから流れていたソフトロックに思いを馳せた『Magic Oneohtrix Point Never』(2020年)――そして、それらに続く「半自伝的ト