「保育園の給食を家に持ち帰れたらなぁ」――ハウス食品グループに勤める石井英貴さん(36)は約3年前、妻の第二子妊娠時に、仕事や育児、家事に追われる中、そう考えていた。とくに苦労した夕飯の準備。ぐずる愛娘に急かされながら、疲弊しきった体に鞭打つように台所に立った。食品メーカー勤務としてできることはないのか。石井さんは自らのワンオペ育児経験をもとに温めたアイデアを、社内の新規事業創出プログラムに応募した