「突然、多くのものを奪われた。車の運転、仕事も。何回、採用試験受けたかな。やりたかった職で充実してたけど。聴力も声も失くした。会話もできない。何も食べられん、飲まれん。楽しみも減った。体も動かんし、排泄さえもできん」。これは2011年12月に過労で脳出血を発症し、寝たきりとなった元小学校教諭の男性(50代)の訴えだ。2015年に意思伝達装置を使い、指先にくくりつけたマウスで1文字ずつ入力して文章をまとめた。男