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調査会社BCNは10月9日、全国の主要家電量販店などの実売データを集計する「BCNランキング」に基づく液晶テレビの市場動向を発表した。9月に販売された平均画面サイズが過去最大の「34.6」となり、大型化の傾向がいっそう進展していることを示している。

液晶テレビの平均画面サイズは、2014年7月に行われた同社の調査でそれまでで最大となる「34.0」を記録していたが、今回はそれをさらに0.6ポイント上回る大幅な大型化傾向が明らかになった。2011年頃は30前後で推移していたものが、2013年半ばから20型未満の構成比が半減し、40型台、50型台の構成比が大きく上昇し、平均画面サイズの大型化傾向が一気に進んだ。

しかし、そのような大型化傾向も2013年夏以降は足踏みとなり、平均画面サイズ「34」の壁を越えることはない状態が続いていた。加えて、2014年春には新生活需要や消費増税前の駆け込み需要による反動により大型モデルの販売が一時的に減少。4月には「32.4」まで小型化した。

いったん小型化に向かった流れも、5月以降は再び反転。中型、大型モデルを主力とする4Kテレビの販売台数構成比が9月に5.4%と初めて5%超を記録することなどに象徴されるように、大型モデルの販売が活発化し、平均画面サイズを押し上げているとBCNでは分析する。

○40型台の伸長が平均サイズ上昇に貢献 - 50型台は安定的な伸びをみせる

販売台数構成比を画面サイズ帯別にみると、3、4月に新生活需要で小型モデルが大きく売れるものの、それ以外の期間ではここ1年で40型台が大きく伸びている。2014年9月には40型台の販売台数構成比は25.2%となり、2013年9月の21.2%から4ポイント伸びた。加えて、50型台も2013年9月の7.3%から10.6%へと増加。代わりに30型台は2013年9月の39.0%から34.3%へと大きく数字を落としている。

一方で60型台では、月ごとの前年比が2014年4月以降、マイナス2割前後が続いており、平均画面サイズの大型化が進んでいるものの極端に大型な製品が売れているわけでないことをBCNでは指摘。リビングルームに置ける無理のない範囲で、価格がこなれてきたことが60型未満の製品が主導権を握りつつある背景にあると分析する。

メーカー別の平均画面サイズでは、ソニーが最も大きく、この1年ほぼ40を上回る水準で推移している。一方のメーカー別シェアでソニーは4位であるものの、2013年7月の7.2%から2014年7月には15.6%にまでシェアを増加。大型モデルの構成比が大きなソニーのシェア増加が、市場全体の平均サイズを引き上げた格好だ。

メーカー別の販売台数ではシャープがトップシェアを安定して確保しており、2014年9月では37.6%となっている。このこともあり、平均画面サイズに同社が与える影響は大きく、市場全体の平均画面サイズはほぼシャープの傾向にシンクロするという。

そのようなポジションにあるシャープだが、ここ1年ほどシャープの平均画面サイズが市場全体を下回る状態が続き、他メーカーが大型化に軸足を置くのに対してシャープは様々なサイズで台数を稼いでいるとBCNは説明。この動きが8、9月は逆転し、シャープの平均画面サイズが市場全体のそれを上回ったため、市場全体の大型化が促進されたと分析する。加えて、いったんはやや縮小の傾向がみられたソニーと東芝でも、平均画面サイズを大型化。これも、市場全体の平均画面サイズ引き上げに貢献したとみている。