浅田真央(撮影:フォート・キシモト)

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27日放送、日本テレビ「スッキリ!!」では、「誰も知らない浅田選手 ソチまでの3年半」と題し、浅田真央のコーチ=佐藤信夫氏に行ったインタビューの模様を放送した。

約3年半前、浅田のコーチを引き受けることになった佐藤コーチは「とんでもない話だと思って、やっぱり2回も世界チャンピオンになられた方に今更何か新しいことをするというのはあんまり考えられない。固くお断りしていたんですけど」と明かしつつ、「何を一番戸惑ったといったら、やっぱり経験したことのないメディアの皆さんからのすごいプレッシャー。こんだけ追い掛け回されて、こんだけ同じ質問を針の穴を通すほど正確に同じ答えを出さないと、ウワーっとまた次に攻撃を受けるっていうね。こういう生活はしたことない」と大笑い。

また、練習中の浅田の様子については、「私が話をする時は一方的に話がいくだけで、(浅田は)何の反応もないです。ないですけど、メディアの皆さんの前で私が言ったことをペラペラ喋っちゃう。なんだ“ちゃんと分かってんだ”って」と、その意外な一面を明かした佐藤コーチは、ソチまでの指導方針を「計画書が決してあるわけではない」、「今あるものをより完成度の高いものに少しでも高められるなら、そのお手伝いをしようという考え方」と説明した。

しかし、先のソチ五輪における浅田について、佐藤コーチは「本当にいい調子でいってました。ただ、昨年末にあったグランプリファイナルと全日本の少し前にちょっと腰を痛めて、そこでしばらく練習が滞った。それが大きかった。そこのブランクが予想外だった」と明かすと、ミスを連発した団体戦やショートプログラムの浅田の出来には「正直“どうして?”って感じ。よく言われる“オリンピックには魔物が住んでいる”って。よく聞く言葉ですけど、やっぱりそういう状態なのかなと」と振り返った。

それでも翌日のフリースケーティングでは前日までの不調を見事に克服したことで日本中に感動を与えた浅田。その裏側では佐藤コーチの叱咤なども伝えられたが、「少々大きな声で“やれ”って。“気持ちをちゃんと持てば、どんな中でもカラダは動くんだから、そういうふうに日々練習してきているはずだから、出来ないわけないから頑張ってやれ”と言って。それも反応ないです。反応はないけどちゃんとそれは動作に表れてきている。だからそれが夜(フリー)に繋がった」と語った佐藤コーチは、「どこまで選手を信じてあげられるか。やっぱり気持ちで接していると言葉なしに伝わるもの」と続けた。

そんな浅田の引退について、佐藤コーチは「(話し合いは)ゼロです。今は本人の気持ちを尊重してあげるのが一番だと思ってますけど。非常に難しい問題ですね」と見解を述べると、彼女自身のことは「誰にも劣らないすごい精神力、根性の持ち主。努力家ですよ。(才能ではない?)それが最大の才能」と形容した。