ユリア・リプニツカヤ/2011年12月グランプリファイナルより (photo by Tsutomu Kishimoto)

写真拡大

日本時間20日午前0時、ソチ五輪ではいよいよ注目のフィギュアスケート女子個人が始まる。浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子の日本勢はもちろん、バンクーバー五輪金メダリスト・韓国のキム・ヨナ、世界選手権優勝経験もあるイタリアのカロリナ・コストナーら強豪がひしめきあっている。

すると、18日放送、日本テレビ「NEWS ZERO」では、「驚異の"新星"ソチへ 15歳リプニツカヤ選手 強さの秘密」と題し、今大会の団体戦フリー演技では世界歴代2位の得点を叩き出し、ロシアの金メダル獲得に大きく貢献したことで一躍金メダル候補の一人に挙げられることとなったユリア・リプニツカヤを特集した。

同局でソチ五輪キャスターを務めるトリノ五輪金メダリスト・荒川静香は、リプニツカヤの強さを「(リプニツカヤが得意とする)3ルッツ+3トーループは基礎点が10.10ある技」、「突出していることとしては驚異的な柔軟性」、「演技の後半は基礎点が1.1倍になるんですけど、そこで多くの選手が4つジャンプを跳ぶ中、彼女は5つ組み込んでいる」などと説明。加えて「コンディションもいい状態を保っている」と語った。

では、浅田ら日本勢とのメダル争いはどうなるのか――。「戦い方も違えば、勝負をかける技も違うので、どちらが勝つかはいかにミスが少ないかにかかってくる」。こう展望を述べた荒川だったが、スタジオではリプニツカヤの不安要素についても言及している。

「メダル争いの中に急激に入ってきたと思うんですけど、シーズン前はオリンピックのメダリスト候補としてはまだ挙がってきてなかった。ただ、このシーズンを通じて自己ベストを更新したり、ヨーロッパでチャンピオンになったり、オリンピックの団体戦ではロシアの金メダルに貢献したりと快進撃をしてきているので注目度が上がっている。世界中のメディアがソチまでの移動の際に彼女に質問したり、カメラを向けたりする機会も多くなって、それがこれまでしてきていない初めての経験だとすると精神的な負担がある。それが彼女の戦いにどう影響するのか、一つ心配」と指摘した。