フジテレビ「すぽると!」(7日放送分)では、「松井秀喜&阿部慎之助 in NY新春SP対談!」と題し、一昨年に現役を退いた松井秀喜氏と巨人・阿部慎之助によるニューヨークで行われた対談の模様を放送した。

先輩・松井氏を直立不動で出迎えた阿部が改めて松井氏の引退を労うと、「ヤンキースでは7年間もプレーさせてもらったけど、最後の年にワールドチャンピオンにもなったし、ワールドシリーズでいいプレーも出来たし、やりきった感があるとすればそこなんだろうなって気はする。パッとユニフォームを脱げたのもヤンキースでワールドチャンピオンがあったから。あのためにプレーしてたんだろうなってことを思うと“まあ、もういっかな”みたいな」と振り返った松井氏は引退を決断した心境を説明した。

すると、「もし僕が、現実的に難しいんですけど、メジャーでやったらどうなんですかね? 想像つきますか?」と尋ねた阿部。松井氏は「バッターとしてはいけるんじゃないかな。キャッチャーのことは正直分からない。なぜそう思うかっていうと、慎之助は逆方向に打つのがうまいから、そういうバッターは対応しやすい。自分が苦労したのはそこだから」と語りつつ、「アベレージっていう意味では、慎之助結構残せたと思うけど、そんなこと言って“行っておけばよかった”なんて言われても困るんだけど」と冗談で笑わせる場面も――。

また、「巨人の4番って僕は打って当たり前っていうイメージがある」と切り出した阿部は、松井氏に理想の4番像を尋ねた。この質問に「簡単にいうと何でも出来なくちゃいけない。数字でも態度でも示さなくちゃいけない。一瞬たりとも4番という姿から逸脱できない。でも苦しいと思ったことはない。ハッキリ言って。むしろ光栄だった」という松井氏。

その他にも、阿部から「若い時にやってた人がどんどん引退されるのを見て考えてしまう自分がいて。宮本さんだったり、前田さんだったり。野球人生を真剣に考えるようになりましたね。自分もあとどれくらいできるのかなとか心配している自分がいる。本当に頑張っても4、5年だと思うんで」と引退時期について相談されると、「もし慎之助がここで現役辞めたとしても十分凄い現役生活だったと思うよ」とその実績を称えた上で「あんまりそんなことを考える必要はない気がするね。自分も辞める寸前まで考えなかった。今のジャイアンツの中で慎之助の存在っていう意味では、ジャイアンツのためにやってほしいよね。まだまだね。“まだやってんのかよ、あいつ”って思われるくらいやってもいいよ」とアドバイスを送った。

対談では、4番の重圧や引退時期など松井氏に相談する格好となった阿部。対談後は「シンプルにっていうのが一番。松井さんが一番好きそうな言葉だったから。僕もそういうのを参考にしていければいいかな。辞めるときは“ま、いっか”といって辞めたいですね」と感想を述べた。