24年の監督生活で江夏豊や古田敦也など、一流の選手を育ててきた野村克也氏(78)。その思い出の選手たちの中から選んだ『私の教え子ベストナイン』(9月18日・光文社刊)が発売される。そこで今回は、野村氏にとっても宿敵で、今年も圧倒的な戦力を誇る巨人を倒すべく、11球団から最強のベストナインを選んでもらった。

「どれだけ勝っている、どれだけ打っているといった数字を基準に選手を選ばない。要は、野球をどれだけ知っているかということ。プロだから、専門家というか、“野球博士”を選んでみたい」(野村氏・以下同)

【投手 田中将大(楽天)】
「とはいえ、投手は田中将大しかいないか。ただ、いまの巨人をやっつけるのに彼は必要ない。もったいないよ。それだけ今季の彼は凄みを増している。仙台に2回行ったけど、恐れ多くて近寄れない(笑)」

【捕手 谷繁元信(中日)】
「捕手は配球なら細川亨かもしれないが、打撃がね。捕手も打順の一人に組み入れられるわけだから、総合力で谷繁だな。教え子の嶋基宏はまだまだ。ただ、これといった、捕手がいないのも寂しい現実」

【二塁手 西岡剛(阪神)】
「阪神のリードオフマンとして活躍してるし、ちょっと感情が入っている。銀座の飲み仲間だからね(笑)」

【三塁手 中村剛也(西武)】
「松田宣浩との争いだけど、ここは長打力の違いで選んでみるか」

【左翼手 中田翔(日本ハム)】
「いいものを持っている。骨折の怪我は残念だが、将来の大砲としての期待は大きい。年々、順調に成長してきていると思う」

【右翼手 内川聖一(ソフトバンク)】
「セカンドやショートをやらせてみてもおもしろいと思う。これまで、左の広角打法の打者はけっこういたが、右であれだけ打ち分けられる選手は珍しい。長いプロ野球の歴史を紐解いても、いなかったんじゃない」

【中堅手 糸井嘉男(オリックス)】
「手がけてみたかった選手。走・攻・守の三拍子どころか、長打も加わって四拍子揃った選手。彼みたいな、足が速くて長打もある選手は、なかなか出てこないタイプ」

残る一塁手、遊撃手にはそれぞれ 井口資仁(ロッテ)、島谷敬(阪神)を選出したノムさん。

「でも、こんなに選手を集めなくてもいいんじゃない。それほど巨人が強いとは思わんからね(笑)」

(週刊FLASH 10月1日号)