話題沸騰「パシフィック・リム」7つの人気のヒミツ
Twitterを見ていて、ずーっと話題作は『風立ちぬ』だったんだよ。今も話題ですし、ぼくも話したくてうずうずしてるけど。
でも、ある日を境に話題がガラッと変わったね。『パシフィック・リム』に。
『パシフィック・リム』は、ひたすら「ロボットが怪獣と戦う話」に終始しています。
本日公開「パシフィック・リム」は、怪獣とロボットの特盛ハンバーグカレー(エキサイトレビュー)
こちらの記事を読めばわかりますが、もうすっげえ単純なんですよ。
巨大怪獣好き。巨大ロボ好き。じゃあ合わせましょう。全部入れよう。そりゃ面白いわ。
にしたって人気出過ぎだよ!
『パシフィック・リム』はなぜそんなに話題になっているのか考えてみます。
1・一般人の出番がほとんどない。
「ヒーロー」を描く時に必要なのは、強さだけではありません。
一般人です。
誰かが苦しみ、それを救うことで「ヒーロー」はかっこよくなります。逆に言えば、守られる人がいなかったらヒーローは無職気味。
ところが『パシフィック・リム』に、一般人はほとんどと言っていいほど出てきません。
これ画期的ですよ。
最近だと『スパイダーマン』は本人もMJのような一般人も悩んだり、『ダークナイト』は善悪について敵味方思想を持っていたりしたわけです。
確かに『パシフィック・リム』で、主人公やヒロインにも悩みのシーンはあります。ありますが超短い。
悩んでたら怪獣きちゃうもん。そんなヒマ、与えてもらえないから、とりあえず殴る。
一瞬登場する一般人は、完全にモブです。背景みたいなもんです。
むしろ、香港の街、めっちゃくちゃにぶっ壊してますからね。
街にいた人やばいんじゃないの!?とかって一瞬考えますが、その後思考放棄します。
かっこいいから、よし!
『パシフィック・リム』は一般人を描かないことで、「苦悩」の類をあえて全部切り捨てました。
それを批判する人ももちろんいるでしょう。しかし、今の技術で、人間関係描写を最小にして、すべてのリソースを「ロボかっけー」に回した。
そりゃ見入りますよ。一周して新鮮。
2・善とか悪とかない。
この映画、善悪の判別も単純化しました。
「怪獣=悪」。怪獣が出てきたら殺す。それだけです。単純明快。
そりゃ怪獣だって心はあるでしょうし、共存する道もあるはず。
でも映画の怪獣の原点って「でかい」「怖い」「倒される」の三つがポイントです。
登場する怪獣は本当に恐ろしく大きくて、不気味です。凶悪かどうかって言われると、……そんな凶悪なシーンはばっかりではない気がしないでもないんですが、口開けて襲ってきたら、まあ、ぶん殴るよ。
だって、「倒される怪獣」見たかったんだもん。グーで殴り倒される怪獣が。
ゴジラ的なノソノソ歩く怪獣から、飛び回るスピーディーな怪獣まで、全て倒すべき「敵」です。
個人的には特撮映画の怪獣より、「モンハン」のモンスターに近いイメージを持ちました。
というのも、モンハンって相手の知能とか考えず、狩りまくるじゃないですか。
その後部位破壊して、パーツを剥ぎ取るじゃないですか。あれですよ。上手に焼けましたー。
そういう「人間の方が残酷じゃね?」的な部分も、さらっと描かれている。
極めて冷静に考えたら、あんな仲間ぐしゃぐしゃに殺されたら怪獣も怒って当然な気がしますが、そんなのは無視です。
このルールに飲み込まれ始めた時にはじめて、パシフィック・リム脳のスイッチが入ります。
何も考えずただ、ロボと怪獣に酔え、という麻薬のスイッチです。
3・街は壊されるためにある。
最もカオスでおもろい地域のひとつが、香港だと思います。異論は認める。
日本もたいがいブレードランナーな国ですが、香港のどんどん上にくっつけていく建物の雑多感はやっぱり異様ですし、楽しいんですよ。そして、何があっても「香港だしね」で済んじゃう。
この作品の舞台も、途中から香港になります。
ロボットを管理するくらいですから、この時代背景は相当科学進歩している時代のはず、なんです。
ところがタイマーの数字がアナログ秒めくり時計で思わずニヤニヤしてしまいました。
なんでだよ! 70年代かよ! デジタルにしろよ!
でも仕方ない、香港だもんね。いいわー。
アナログ感とデジタル感が入り乱れでわけわからないシーンがほんと多い。これは日米共に持っているスチームパンク感覚そのもの。
ロボットアニメの「なんだかよくわからないけどすごいパンクな街」を描くのに香港最高に適してるんです。
で、そんな密集した香港の街でロボットと怪獣が格闘したら……気持ちいいくらい何もかも壊れますよね。
もう壊すために香港選んだとしか思えない。海もあるし、ビルもあるし、人も多い。
怪獣の巨大さを表現するにはビルは必須アイテム。香港は超近代的ビルもあれば、下のほうでごちゃごちゃしている街もあり、両方怪獣にぶっ壊されるわけです。
怪獣の肩越しに見える町並みの
壊さなくていいだろ!ってとこまで壊しますし、そこ壊さないの!?ってところ寸止めしたりします。実に気持ちいい。
見れば見るほど、計算され尽くした破壊の快感のツボをおさえた作品なのです。
4・吹き替えがずるすぎる。
字幕もいいんですが、ぼくはロボットアニメ好きなら吹き替え3D版を推します。
まず主人公ローリーの吹き替えは、杉田智和。『銀魂』の銀さん、『ジョジョ』のジョセフで有名です。
ちょっと前まで『翠星のガルガンティア』でロボット役をやっていたことを考えるとちょっと笑えますが、実にかっこいいです。
ちなみに吹き替えで、必殺技「エルボーロケット」を「ロケットパンチ!」と言い換えたのは、彼です。さすが。
ヒロインの森マコの声が林原めぐみ。そう、エヴァンゲリオンの綾波レイです。
あかんて……エヴァ直撃世代としては、綾波レイの声のキャラがロボットにのって苦しんでいるだけで、ああー!ってなっちゃう。
みんなも「ああー!」ってなってほしいのです。最もキャラ自体は、にんにくラーメンをチャーシュー入りで食えそうなくらい強いけどね。
天才科学者ニュートン役に古谷徹ってのもまたいい。アムロ、ロボに乗りません。
一方ストライカー・エウレカのエリートパイロットが池田秀一。シャアはロボに乗るお父さんです。
その他、三ツ矢雄二、千葉繁、浪川大輔と、アニメ好きならニヤリとする吹き替え声優がズラリ。
芸能人吹き替え枠がケンドーコバヤシで、その役が香港のマフィア。うーん、ぴったりすぎる。
正直なところ、字幕見ている隙がないくらい画面が忙しいので、そういう意味でも吹き替えの方も十分楽しめます。
5・イェーガーの設定がとにかく詳しい。
イェーガーの設定や造形が、狂ったように凝っています。
どう戦うのか、それぞれの機体の必殺技はなにか、どういう仕組で動かすのか、整備はどうするのか。
巨大ロボットのでてくる実写映画は確かにありますが、どのくらい重いのか、どうすれば重量感が出るのか、どう戦うのかをここまで緻密に描いた作品は珍しいかもしれません。
個人的お気に入りなのは、胸のミサイルのシーン。あるイェーガーはグーパンチで闘いながら胸からミサイルを撃って怪獣にとどめを刺すのですが、そのミサイルをすぎ大変そうに入れるシーンが出てくるんです。
撃つのは一瞬、でも準備するのはものすごい時間がかかる。
こういうディティールがしっかりしているけど、攻撃は一瞬なので、テンションあがるんですよ。
言うなれば、積み上げたジェンガをバットでフルスイングしてぶっ壊すような快感。
加えて、それぞれのイェーガーには必殺武器があります。
最初から出せって? なにをおっしゃる。いざって時にだすから、いいんでしょう?
6・深読みしたくなる。
実質、ほんと何も考えないで、コーラ飲みながらポテチ食うように見ることができる作品です。
と同時に、いろんなSF作品の要素を集めまくって、全部突っ込んだ超オタク的作品。実際、監督のギレルモ・デル・トロは大量の設定メモを溜め込んでいます。
それに対して「映画としては意味は無いんじゃ?」といわれたら、まあ、そうかもね。それでいいと思います。
でも! イェーガーや怪獣の設定がやたらめったら詳しいので、そこを語り合うのがこれまた楽しい。
例えば「ドリフト」と呼ばれる精神共有。これはどういう仕組みで、何ができるのか。それを体験すると何が見えるのかが映画で描かれます。
まさかドリフトをアレにああするとは思いませんでしたが、確かにそれは面白い発想。
日本でも『攻殻機動隊』をはじめ多くの作品で描かれるサイコダイブ。それを利用して二人が右脳と左脳になって操縦するロボットの原理を考えると、これまた面白い。
二人の脳波で操縦する技術は、実は開発中という噂も。
しかもイェーガーの動力は原子力。こういう設定は昔からありますが、実際自分達がそれに乗ったらどうなるかも描かれます。
興味のある人同士が話し合ったら、どこまでも面白い魅力に満ちているのですよ。
是非まじめに考察するサイトとかが増えたら楽しいですね。
7・テンションで誰かに話したくてしかたなくなる。
脳みそを強制リセットさせられるってすごいことですよ。
「えっ、それって、でも、あれ、あー……とりあえずよし!」っていう体験、そうそうない。
考えることを放棄させられる振りきりっぷりは、ほんとクセになります。2時間半近い時間があっという間。振り切った内容に、悩むのバカらしくなります。
こんな麻薬的作品を知ってしまったら、誰かに言いたくなるんですよ。
絶対3Dで見たほうがいいよ、できれば吹き替えも見たほうがいいよ。列は前の方にいって、見上げるといいよ。画面はでかければでかい方がいいよ。
ロシアのイェーガーがチェルノで、日本のイェーガーが被爆するって設定……まあでも面白いから考えるのをやめる!
あの二人乗りってエヴァQっぽいよね、いやいや複数人操縦は戦隊物だろう、操縦方法はジャンボーグAでしょう。
とにかくしゃべりたくなるんですよ。それがTwitterという超便利ツールによって増幅されました。
『風立ちぬ』は誰かとしゃべりたくなる映画ですが、それは感動をどう言葉にすればいいか、頭を使うから。
『パシフィック・リム』も誰かとしゃべりたくなる映画ですが、それはアドレナリンが出てみんな子供に戻るから。
基本強いのは根性のみ。あとは殴る。ひたすら殴る。船で殴らなくてもよくね?とか思うけど、殴る。
家では味わえないでかさ。映画館で、見てください。
色々褒められていてハードル激上がりしているとも思いますが、それでもそんなハードル余裕で超えますから。
でかいって、いいね!
それにしても、あの映画のキャラはみんな言うこと聞かないから、大変だね。
(たまごまご)
でも、ある日を境に話題がガラッと変わったね。『パシフィック・リム』に。
『パシフィック・リム』は、ひたすら「ロボットが怪獣と戦う話」に終始しています。
本日公開「パシフィック・リム」は、怪獣とロボットの特盛ハンバーグカレー(エキサイトレビュー)
こちらの記事を読めばわかりますが、もうすっげえ単純なんですよ。
巨大怪獣好き。巨大ロボ好き。じゃあ合わせましょう。全部入れよう。そりゃ面白いわ。
『パシフィック・リム』はなぜそんなに話題になっているのか考えてみます。
1・一般人の出番がほとんどない。
「ヒーロー」を描く時に必要なのは、強さだけではありません。
一般人です。
誰かが苦しみ、それを救うことで「ヒーロー」はかっこよくなります。逆に言えば、守られる人がいなかったらヒーローは無職気味。
ところが『パシフィック・リム』に、一般人はほとんどと言っていいほど出てきません。
これ画期的ですよ。
最近だと『スパイダーマン』は本人もMJのような一般人も悩んだり、『ダークナイト』は善悪について敵味方思想を持っていたりしたわけです。
確かに『パシフィック・リム』で、主人公やヒロインにも悩みのシーンはあります。ありますが超短い。
悩んでたら怪獣きちゃうもん。そんなヒマ、与えてもらえないから、とりあえず殴る。
一瞬登場する一般人は、完全にモブです。背景みたいなもんです。
むしろ、香港の街、めっちゃくちゃにぶっ壊してますからね。
街にいた人やばいんじゃないの!?とかって一瞬考えますが、その後思考放棄します。
かっこいいから、よし!
『パシフィック・リム』は一般人を描かないことで、「苦悩」の類をあえて全部切り捨てました。
それを批判する人ももちろんいるでしょう。しかし、今の技術で、人間関係描写を最小にして、すべてのリソースを「ロボかっけー」に回した。
そりゃ見入りますよ。一周して新鮮。
2・善とか悪とかない。
この映画、善悪の判別も単純化しました。
「怪獣=悪」。怪獣が出てきたら殺す。それだけです。単純明快。
そりゃ怪獣だって心はあるでしょうし、共存する道もあるはず。
でも映画の怪獣の原点って「でかい」「怖い」「倒される」の三つがポイントです。
登場する怪獣は本当に恐ろしく大きくて、不気味です。凶悪かどうかって言われると、……そんな凶悪なシーンはばっかりではない気がしないでもないんですが、口開けて襲ってきたら、まあ、ぶん殴るよ。
だって、「倒される怪獣」見たかったんだもん。グーで殴り倒される怪獣が。
ゴジラ的なノソノソ歩く怪獣から、飛び回るスピーディーな怪獣まで、全て倒すべき「敵」です。
個人的には特撮映画の怪獣より、「モンハン」のモンスターに近いイメージを持ちました。
というのも、モンハンって相手の知能とか考えず、狩りまくるじゃないですか。
その後部位破壊して、パーツを剥ぎ取るじゃないですか。あれですよ。上手に焼けましたー。
そういう「人間の方が残酷じゃね?」的な部分も、さらっと描かれている。
極めて冷静に考えたら、あんな仲間ぐしゃぐしゃに殺されたら怪獣も怒って当然な気がしますが、そんなのは無視です。
このルールに飲み込まれ始めた時にはじめて、パシフィック・リム脳のスイッチが入ります。
何も考えずただ、ロボと怪獣に酔え、という麻薬のスイッチです。
3・街は壊されるためにある。
最もカオスでおもろい地域のひとつが、香港だと思います。異論は認める。
日本もたいがいブレードランナーな国ですが、香港のどんどん上にくっつけていく建物の雑多感はやっぱり異様ですし、楽しいんですよ。そして、何があっても「香港だしね」で済んじゃう。
この作品の舞台も、途中から香港になります。
ロボットを管理するくらいですから、この時代背景は相当科学進歩している時代のはず、なんです。
ところがタイマーの数字がアナログ秒めくり時計で思わずニヤニヤしてしまいました。
なんでだよ! 70年代かよ! デジタルにしろよ!
でも仕方ない、香港だもんね。いいわー。
アナログ感とデジタル感が入り乱れでわけわからないシーンがほんと多い。これは日米共に持っているスチームパンク感覚そのもの。
ロボットアニメの「なんだかよくわからないけどすごいパンクな街」を描くのに香港最高に適してるんです。
で、そんな密集した香港の街でロボットと怪獣が格闘したら……気持ちいいくらい何もかも壊れますよね。
もう壊すために香港選んだとしか思えない。海もあるし、ビルもあるし、人も多い。
怪獣の巨大さを表現するにはビルは必須アイテム。香港は超近代的ビルもあれば、下のほうでごちゃごちゃしている街もあり、両方怪獣にぶっ壊されるわけです。
怪獣の肩越しに見える町並みの
壊さなくていいだろ!ってとこまで壊しますし、そこ壊さないの!?ってところ寸止めしたりします。実に気持ちいい。
見れば見るほど、計算され尽くした破壊の快感のツボをおさえた作品なのです。
4・吹き替えがずるすぎる。
字幕もいいんですが、ぼくはロボットアニメ好きなら吹き替え3D版を推します。
まず主人公ローリーの吹き替えは、杉田智和。『銀魂』の銀さん、『ジョジョ』のジョセフで有名です。
ちょっと前まで『翠星のガルガンティア』でロボット役をやっていたことを考えるとちょっと笑えますが、実にかっこいいです。
ちなみに吹き替えで、必殺技「エルボーロケット」を「ロケットパンチ!」と言い換えたのは、彼です。さすが。
ヒロインの森マコの声が林原めぐみ。そう、エヴァンゲリオンの綾波レイです。
あかんて……エヴァ直撃世代としては、綾波レイの声のキャラがロボットにのって苦しんでいるだけで、ああー!ってなっちゃう。
みんなも「ああー!」ってなってほしいのです。最もキャラ自体は、にんにくラーメンをチャーシュー入りで食えそうなくらい強いけどね。
天才科学者ニュートン役に古谷徹ってのもまたいい。アムロ、ロボに乗りません。
一方ストライカー・エウレカのエリートパイロットが池田秀一。シャアはロボに乗るお父さんです。
その他、三ツ矢雄二、千葉繁、浪川大輔と、アニメ好きならニヤリとする吹き替え声優がズラリ。
芸能人吹き替え枠がケンドーコバヤシで、その役が香港のマフィア。うーん、ぴったりすぎる。
正直なところ、字幕見ている隙がないくらい画面が忙しいので、そういう意味でも吹き替えの方も十分楽しめます。
5・イェーガーの設定がとにかく詳しい。
イェーガーの設定や造形が、狂ったように凝っています。
どう戦うのか、それぞれの機体の必殺技はなにか、どういう仕組で動かすのか、整備はどうするのか。
巨大ロボットのでてくる実写映画は確かにありますが、どのくらい重いのか、どうすれば重量感が出るのか、どう戦うのかをここまで緻密に描いた作品は珍しいかもしれません。
個人的お気に入りなのは、胸のミサイルのシーン。あるイェーガーはグーパンチで闘いながら胸からミサイルを撃って怪獣にとどめを刺すのですが、そのミサイルをすぎ大変そうに入れるシーンが出てくるんです。
撃つのは一瞬、でも準備するのはものすごい時間がかかる。
こういうディティールがしっかりしているけど、攻撃は一瞬なので、テンションあがるんですよ。
言うなれば、積み上げたジェンガをバットでフルスイングしてぶっ壊すような快感。
加えて、それぞれのイェーガーには必殺武器があります。
最初から出せって? なにをおっしゃる。いざって時にだすから、いいんでしょう?
6・深読みしたくなる。
実質、ほんと何も考えないで、コーラ飲みながらポテチ食うように見ることができる作品です。
と同時に、いろんなSF作品の要素を集めまくって、全部突っ込んだ超オタク的作品。実際、監督のギレルモ・デル・トロは大量の設定メモを溜め込んでいます。
それに対して「映画としては意味は無いんじゃ?」といわれたら、まあ、そうかもね。それでいいと思います。
でも! イェーガーや怪獣の設定がやたらめったら詳しいので、そこを語り合うのがこれまた楽しい。
例えば「ドリフト」と呼ばれる精神共有。これはどういう仕組みで、何ができるのか。それを体験すると何が見えるのかが映画で描かれます。
まさかドリフトをアレにああするとは思いませんでしたが、確かにそれは面白い発想。
日本でも『攻殻機動隊』をはじめ多くの作品で描かれるサイコダイブ。それを利用して二人が右脳と左脳になって操縦するロボットの原理を考えると、これまた面白い。
二人の脳波で操縦する技術は、実は開発中という噂も。
しかもイェーガーの動力は原子力。こういう設定は昔からありますが、実際自分達がそれに乗ったらどうなるかも描かれます。
興味のある人同士が話し合ったら、どこまでも面白い魅力に満ちているのですよ。
是非まじめに考察するサイトとかが増えたら楽しいですね。
7・テンションで誰かに話したくてしかたなくなる。
脳みそを強制リセットさせられるってすごいことですよ。
「えっ、それって、でも、あれ、あー……とりあえずよし!」っていう体験、そうそうない。
考えることを放棄させられる振りきりっぷりは、ほんとクセになります。2時間半近い時間があっという間。振り切った内容に、悩むのバカらしくなります。
こんな麻薬的作品を知ってしまったら、誰かに言いたくなるんですよ。
絶対3Dで見たほうがいいよ、できれば吹き替えも見たほうがいいよ。列は前の方にいって、見上げるといいよ。画面はでかければでかい方がいいよ。
ロシアのイェーガーがチェルノで、日本のイェーガーが被爆するって設定……まあでも面白いから考えるのをやめる!
あの二人乗りってエヴァQっぽいよね、いやいや複数人操縦は戦隊物だろう、操縦方法はジャンボーグAでしょう。
とにかくしゃべりたくなるんですよ。それがTwitterという超便利ツールによって増幅されました。
『風立ちぬ』は誰かとしゃべりたくなる映画ですが、それは感動をどう言葉にすればいいか、頭を使うから。
『パシフィック・リム』も誰かとしゃべりたくなる映画ですが、それはアドレナリンが出てみんな子供に戻るから。
基本強いのは根性のみ。あとは殴る。ひたすら殴る。船で殴らなくてもよくね?とか思うけど、殴る。
家では味わえないでかさ。映画館で、見てください。
色々褒められていてハードル激上がりしているとも思いますが、それでもそんなハードル余裕で超えますから。
でかいって、いいね!
それにしても、あの映画のキャラはみんな言うこと聞かないから、大変だね。
(たまごまご)