アンケートは質問に対して本人なりの解釈で書いていることから、受け止め方が難しい。アンケートの評価が研修プログラムの評価と捉えるには注意が必要だ。

研修には、一日の最後に「アンケート」を書いてもらう習わしがある。

これは二つの目的で取るものであるが、なかなか解釈が難しい。

ひとつは、受講者の感想を生かして、今後の研修企画の参考にすること。

もうひとつは、受講者の研修への満足度や、理解や気づきのポイントや、今後への課題感などを把握すること。

何しろ、あくまでもアンケートの質問に対しての、本人なりの解釈で書いていることから、受け止め方が難しい。

受講者の満足度が、全員最高レベルであったらかといって、いい研修だったのかと言えばそれはそうとは限らない。

非常に楽しい進行で、プログラムも容易に理解できるもので、楽々と受講できた、という場合でも満足度は高いと答える場合がある。

その実態はと言えば、頭にあまり汗もかいておらず、ストレッチもかからない状態で、楽しさ優先で、成長への寄与という点では疑問が残るということもある。

逆に、大満足ではなく「やや満足」という答えが多く「どちらとも言えない」の人がいるからとガッカリしていると、こちらのほうが、受講者の成長への寄与という観点では高い場合もある。

難易度の高いプログラムに必死でくらいついていき考え抜いた経験の中で、自分自身の足りない点に気が付き、自分自身への新しい課題感が心の中に渦巻いていての「やや満足」や「どちらとも言えない」であることも多いからだ。

これを研修プログラムへの「評価」と勘違いして、安易にプログラムを易しく改善したりすると、本末転倒になってしまうのだ。

従って、アンケートを回収して集計し、そのデータでものを考えることを慎み、きちんと受講者と対話することで真の状況を理解する努力をしなければならない。

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