WindowsとAndroid両搭載のPC登場  ASUS TransAiOから見るAndroidとWindowsの関係【デジ通】


ASUSが一見するとディスプレイ一体型のオールインワン型パソコンだが、画面をタブレットのように取り外せる新世代デバイスPC「ASUS TransAiO P1801」を発表した。

実はこの製品、2012年6月に台湾で行われたCOMPTEX TAIPEIでお披露目された。初公開から約10か月経過し、ようやく日本での発売となった。

ディスプレイ一体型のオールインワン型パソコンは、画面と本体が一体化しているので、机に設置するだけのスペースがあれば置けるというメリットがある。デスクトップのように箱型の筐体がディスプレイの横に置く必要がないのでリビングルームなどに違和感なく置けるメリットがある。

そうしたスタイリッシュさと省スペースという魅力に加えて、この製品はディLすプレイ部分を取り外し、タブレットのように使えるようになっている。デタッチャブル型Ultrabookのような仕組みを持つユニークな製品だが、基本機能はかなり異なっている。どう違うのか見て行こう。


■デタッチャブルUltrabookみたいな機構を採用
ASUS TransAiO P1801は、18.4型のタッチパネル対応ディスプレイを搭載するデスクトップパソコンの状態が基本形となる。

ディスプレイの解像度は1920×1080のフルHDで10点マルチタッチに対応している。CPUはインテルのCore i7-3777、メインメモリーは8GB、HDDは2TB。グラフィックスにNVIDIA GeForce GT730M、光学ドライブにDVDスーパーマルチドライブを搭載するなど、パソコンとして不満のないスペックを実現している。

このパソコンとしてのハードウェアは、机の上に設置してあるドック機能になる「PCステーション」内部ににあり、Windows 8が動作している。ディスプレイ部分は、AndroidタブレットのCPU兼GPUで高性能さで定評あるNVIDIA Tegra 3が搭載されており、こちらにはAndroidが組み込まれる。

本体の画面にはAndroidが表示されているが、HDMIで接続しているモニターにはWindowsが表示されている。


■WindowsだけでなくAndroidも内蔵
デタッチャブルUltrabookの場合、ディスプレイ部分にハードウェア全般が搭載されているので、キーボード部から取り外してもそのまま使える。TransAiOの場合、設定にもよるが、ディスプレイをPCステーションに接続して使用した場は、Windows 8が基本になり、Windowsの画面が表示される。ディスプレイをドックから外すとAndroidの画面に切り替わる。

WindowsもAndroidも常に起動しており、モニターに表示されている画面は状況に応じて切り替わる。このOSの切り替えはドックの取り外しや、ディスプレイ横のボタンなどでも切り替え可能だ。Android上ではWindowsをリモートデスクトップとして使用することもできる。

このように、Windowsパソコンをベースとし、ディスプレイを取り外した場合、Androidタブレットとしても使えるハイブリッドデバイスなわけだ。こうしたコンセプトは、日本でタブレットが浸透してきたことの表れであり、そしてAndroidとWindowsが共存していく方法のひとつを示唆していると言える。

将来的にはAndroidがWindowsに取って代わるようなことにもなるかもしれないが、現状ではAndroidとWindowsが食い合いをするのではなく、この製品のように両方が良い関係を持ち、それぞれを補完する形で共存できるのが理想だと言えるのではないだろうか。


上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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