警護術を披露する牧村博一氏

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 19日、三池崇史監督最新作『藁の楯 わらのたて』の試写会が都内で行われ、数々のハリウッドスターを警護してきたボディーガードの牧村博一氏が、SPを演じた大沢たかお、松嶋菜々子の演技を絶賛した。

 株式会社ビーテックインターナショナルのボディーガードとして、トム・クルーズ、ジョニー・デップ、マドンナなどの警護を担当してきたという牧村氏。本作での大沢と松嶋のSPとしての仕事ぶりについて、「護衛対象者と初対面したシーンで、瞬間的に相手を守る本能的なスイッチが入ったのがわかって、リアルだと思いました」と経験者ならではの鋭い指摘で評価。

 ハリウッドセレブには、「あいさつなど人として最低限のことは行うが、必要以上にコミュニケーションを取らないようにしている」と仕事としての姿勢を貫く一方で、体を張り、時には命を落とすかもしれない仕事だけに、「警護対象者にどこか一つでいいから好きなところをみつけ、愛するようにしています」と愛情をもって接していることを明かした。

 さらに、ボディーガードの仕事で大切なのは、「体力よりも精神面」と指摘した牧村氏。10時間以上立ち続けること、また24時間以上食事が取れないこともあるというが、「くじけそうになったりイライラしたり、自分が想定している以上の状況に陥ったときに頭がてんぱったら困る。なので、部下を指導するときにも、(部下を)追い詰めて、どう反応するかを見る」と極意を明かした。

 『藁の楯 わらのたて』は、漫画「ビー・バップ・ハイスクール」の作者きうちかずひろが、木内一裕として2004年に発表した処女小説が原作。10億円の懸賞金がかけられた殺人犯・清丸(藤原竜也)を移送するSPたちの緊迫した48時間1,200キロの道のりを描く。(取材・文:中村好伸)

映画『藁の楯 わらのたて』は4月26日より新宿ピカデリーほかにて全国公開