カウンターのヒザも局面と局面を埋める攻撃となるのか、ダメージを与えるための攻撃となるのか、その目的によってジョン・ドッドソンの勝利の方程式が見えてくる (C) GONGKAKUTOGI

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5日(金・現地時間)、ミネソタ州ミネアポリスのターゲット・センターで開かれるUFC FX05「Browne vs Bigfoot」では、UFC152で誕生したフライ級王者デメトリウス・ジョンソンへの挑戦権を賭けた一戦=ジョン・ドッドソン×ジュスエー・フォルミーガが組まれている。

TUFシーズン14、激戦のバンタム級ウィナーとなったドッドソンは3月にフライ級がスタートすると、いち早く従来の階級へ戻ることを決定した。新設階級とはいえ、この試合で勝利すると、僅か4戦目の世界王座挑戦となる。

サウスポーの構えからのパンチには、KOできる力が備わっていることは、TUFフィナーレのTJ・ディラショー戦で証明している。ただし、あの一戦はディラショーがアグレッシブに攻めてきたことが、ビッグKOが生まれた要因でもある。先の世界王座決定戦でも見られたように、一見スピーディで動きの多いフライ級も、その速さをディフェンスの方に比重を置くケースも考えられる。

テイクダウンにいくように見せかけてパンチを入れて距離をとる、パンチのフェイントで組みつこうとして、すぐに下がる。運動神経がずば抜けて良いファイター同士が、いわゆる局面と局面の間を埋める攻撃を多く仕掛けると、どこかガチャガチャした動きばかりが目立つようになるも事実だ。

実際、ドッドソンも相手を懐に入れないで、回転数の速いパンチで印象点を稼ぐ試合をTUF以前には行ってきた。一方、フォルミーガは相手を懐に入れておいて徹底して逃さない――そんな試合を持ち味とする、バック奪取の名人だ。TPFではケージに不慣れなこともあってイアン・マッコールのバックに回りこむことができず、組み合いのなかでエルボーを効かされてキャリア唯一の敗北を喫している。

しかし、半年後にはケージ際の一歩足ディフェンスの魔術師=マモルから徹底してバックを奪い続け、ケージへの対応をいち早く見せている。倒されるのが嫌で背中を見せる、そんな現代MMAの基本を逆手に取ったバックキープの名手フォルミーガの課題は、いかにケージ際にドッドソンを追い込むかだ。

決して打撃が得意でないフォルミーガが、得意の形に持って行くために遮二無二に突っ込むと、ドッドソンの左フックの餌食になる可能性は高まる。

もしくは、スプロールから距離を取られて疲弊する――そんな展開も十分に予想できる。前に出て勝たないといけないのは、フォルミーガ。それを迎え撃つのか、すかして局面と局面の狭間の勝負で削っていくかは、ドッドソンいやグレッグ・ジャクソン次第だろう。
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