5日(金・現地時間)、ミネソタ州ミネアポリスのターゲット・センターで行われるUFC FX05「Browne vs Bigfoot」。メインイベントはトラビス・ブラウンとアントニオ・ペイザォン・シウバのヘビー級戦だ。

大会タイトルにあるビッグフット=雪男は、アントニオ・シウバの愛称であるペイザォン=ポルトガル語を英語表記したもの。先週末9月29日の英国ノッティンガム大会で、ステファン・シュトルーフがスタイプ・ミオシッチを下し、トップ5入りをアピールしたが、この試合もヘビー級の序列に影響を与える一戦となる。

ブラウンはキャリア13勝1分の無敗のファイターで、UFCでも4勝1分けの好成績を残し、トップ5宣言をしたシュトルーフを昨年10月にKOしている。豪腕を誇るイメージの強いブラウンだが、ジャクソンズMMAに籍を置くようになった以前、アライアンスMMA時代には寝技で関節技のフィニッシュにトライすることも少なくなかった。

その後、同ジム所属のドミニク・クルーズが台頭し、独特のスタンスを導入しながらスタンドに突出したイメージが残るような試合展開が増えていった。ジャクソンズMMA移籍後は、グラウンドから仕掛けて下になるリスクを、グレッグ・ジャクソンが強いることはないが、それでもチャド・グリッグス戦では、ストライカーと戦いながら肩固めで一本勝ちしている。

一方のペイザォンはストライクフォースからUFCに移ってきた初戦で、ケイン・ヴェラスケスのエルボーの前に顔を真っ赤に染めてTKO負けを喫しており、仕切り直しの一戦となる。ストライクフォース最終戦もヴェラスケスのチームメイト=ダニエル・コーミエーに敗れているペイザォンは、エメリヤーエンコ・ヒョードルからTKO勝ちをした貯金はなくなったといえる。

ジャブや前蹴りを有効に使い、ケージに対戦相手を押し込んで削るという勝ち方が多いペイザォンだが、ダメージが蓄積しているのか、随分と打たれ弱くなったように映るのも確か。肩の回りが柔らかく、遠い距離では伸び、近距離だと細かい動きが可能なブラウンが、ペイザォンに打ち勝ってもおかしくない。

コーミアー&ヴェラスケスという世界王者ジュニオール・ドスサントスに次ぐトップファイターに遅れを取ったペイザォンは、如何にダメージを受けずに削り合い、そしてトップからのパウンドにつなげることができるか。ブラウンとしては、そんなペイザォンを相手に寝技を選択する必要はないものの寝技になっても凌げる――そんな自信が、彼の拳により勢いをつけるに違いない。そんな破壊力十分の打撃を捌いて、自分の試合に持ち込むことができるのか。ペイザォンにとって、楽な試合にならないことは間違いない。

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