大きいデータ(この場合は自分で録画した番組のデータ)をコピーしたりすると、こんな風にインジケーターが出てきます。アイコン表示や詳細表示でもそれぞれ出てくるので、作業しているファイルかどうかがわかります。

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2012年7月25日に新しいMac OS X「Mountain Lion」が発売されました。早速ダウンロードしてあれこれ使ってみています。例によって200種類も機能が増えた! というふれこみなのですが、さすがにまだ200種類全部を体験していません。でも、この辺が特に便利! という部分をまとめてみました。

見た目はあまり変わっていない?!

まず、見た目です。あまり変わっていません。前バージョンのLionでは、Mission Controlという機能が加わりSpacesが無くなったことでちょっと画面のレイアウトというか、使い勝手が変わりました。でも、Mountain Lionではその部分は変わっていないのですね。

ただ、すごい細かいところが変わっています。

例えば、ファイルのアイコンがより見やすくなっています。Finderを使ってデータのコピー&ペーストをしたりアップロードをしたりダウンロードをしたりするとあとどれぐらいかかるのかが何となくわかるようになりました。いわゆる「ダウンロード完了まであと何秒」という小さいウインドウも出るのですが、Finder上のアイコンにもインジケーターが出るようになりました。ちなみにファイル詳細ビューだと、ファイルサイズのところにインジケーターが出て、いまダウンロードしている最中のファイルなんだなというのが一目でわかるようになっています。

地味なんですけど、これは便利です。まだこのファイルは完全な状態じゃないから触っちゃいけないんだなーというのがわかるのですね。

あと地味で便利つながりでは、Dockの中のアイコンを削除するとき、今まではDockから少し外にドラッグ&ドロップをすれば消せたのですが、結構遠くまでドラッグ&ドロップをしないと消せなくなりました。誤操作防止なんだと思います。

ようやくMission ControlがExpose並に!

その昔からMac OS Xを使っている筆者に対してWindowsユーザーの人が「何のためにMacを使っているの?」と聞いてきた時に「Exposeがあるから!」と応えるぐらい気に入っていたのがExposeという機能です。

Exposeに機能を割り当てたボタンを押すと、いま開いているウインドウが全てある程度小さくなって画面に並びます。中身も何と無くわかるサイズなので、その中から必要なウインドウを選び出すと、そのウインドウが前に出てくるという機能です。Mac OS X v10.3 Pantherから搭載された機能なのですね。これが、ウインドウをやたらめったら開く(しかもあまりタブを使わなかったりする)人にはとても便利だったのです。

ところがLionになって、このExposeがなくなりました。Mission Controlになったのですね。同じような機能はあったのですが、Exposeにあった全てのウインドウを見られるようにするのではなく、同じアプリケーションのものはグループ化されて1つしか前に出てこない、という仕様になっていたのです。これが地味に不便でした。例えば前のExposeだったらマウスでファイルをドラッグ&ドロップをしている最中にExposeを使ってファイルを置きたいウインドウの上にカーソルを置くと、そのウインドウが一番前に来てスムーズにドラッグ&ドロップが完了。みたいなことができたのに、やりづらくなってたのですね。

Mountain Lionでは、そんなユーザーからの祈りが届いたのか、Mission Controlの設定で「ウインドウをアプリケーションごとにグループ化」というチェック項目が増えました。ここをオフにすると、全てのウインドウを一画面に整理して見られてExposeの全てのウインドウモードみたいになったのです。これはうれしい変更点です。

iPhoneやiPadみたいになった通知センターやメモ・リマインダー

Lionからそうなのですが、Mountain LionはますますiOSに近づきました。iOSにあったiMessageは「メッセージ」というアプリでMac上からでもやりとりできるようになりましたし、メモやリマインダーというiOSアプリの定番機能も搭載されています。

さらに、iOSにあって便利だなーと思った「通知機能」が搭載されました。

画面の右上にあるマークをクリックするか、トラックパッドだと二本指で右から左へスライドさせると、画面がずずっとずれて通知センターが出てきます。ちなみにトラックパッドでうまく表示させられないという方は、トラックパッドの外側から(Magic Trackpadだったら外の縁から)スライドさせるようにすると出てくると思います。

さらに、Mac OS Xの定番アプリだったGrowlのように、例えばメールがきたりしたら右上に通知メッセージが表示されるようにもできちゃたりします。Lionから導入されたフルスクリーンモードは時計まで見えなくなっちゃうモードだったので、使っているときに重要な連絡とかが来ても気づけないという弱点があったのですが、これで安心して使うことができるようになりました。

ちなみにiCloudのおかげでメモやリマインダーはiPhoneとばっちり連携ができています。Macにメモやリマインダーを入力しておいて、外出時にiPhoneでそれを確認するなんてことも可能です。

音声入力の精度はなかなかいい?

iPhoneやiPadではおなじみになりつつある、音声入力にも対応しました。音声入力をオンにして、接続したマイクに向かってしゃべると文字を入力してくれます。

ただ、日本語だと漢字をどうするのかとか、変換の精度はどうなっているんだとか気になりますよね。というわけで試してみた結果がこちら。

「音声入力の精度はなかなかいいです。実はいまこの文章を音声入力で入力しています。なかなか外などで音声入力をするというのは難しいのでしょうが、ここまで精度がよければ何かしら使い勝手があるような気がします。」

「、」は「てん」、「。」は「まる」と発声して入力しました。漢字変換とかは一切いじっていません。これはちょっと面白いですね。

iCloud連携がパワーアップしたSafari

Safariもバージョンが新しくなり、パワーアップしました。検索ウインドウがなくなり、アドレスバーに直接検索ワードとかを入力するChrome形式になりました。また、iOS5のときに便利に使えたリーディングリストの他に、iCloud連携や各種アプリへの書き出し機能が増えました。

iCloud連携は、ちょっとすごいです。2台Macを持っていて、しかも両方Mountain Lionにしていないと実感がわかないのですが、本当にすごい機能です。片方のMacのSafariで開いているウインドウを、もう片方のMacで開くということができるんです。

例えば家ではMac mini、外ではMacBookAirを使っているとしましょう。家のMac miniで資料となるページを開いたまま、外出します。その後に外でMacBookAirを起動し、SafariのiCloudボタンを押すとどうなるか。家のMac miniで開いているウインドウの一覧が表示されるのです。そのウインドウを選べば、もちろんその画面が開くのですね。

これ、結構驚きでした。全部のウインドウをまとめて開くとかじゃなく、今家で開いているのウインドウの中から選択して開けるというのはとても便利です。しかも、秋に出てくると言われているiOS6を導入すると、iPhoneやiPadから同じことができるようになるとか。これはかなり便利ですね。

書き出し機能では今開いているページを「リーディングリストに追加」「ブックマークに追加」「メールで送信」「メッセージで送信」「Twitterへ投稿」を選べます。Facebook連携はこの秋にサポートされるので、秋からはFacebookへ送信もできるでしょう。

さらに、タブビューモードも追加されています。これは、iPhoneやiPadのSafariではおなじみの、一枚一枚のタブを開いてタブを選ぶ画面ですね。こんなところもiOS版に近づいています。

不満点はあるの?

Mountain Lionは全体的に画面や操作感はLionのままで、それをさらに洗練させたような印象です。地味にパワーアップをしているという感じでしょうか。この後のMac用OSはiOSへと統合されていくという話が出ていますが、かなりこのMountain LionでもiOS寄りになっていっていると思います。

では不満点はあるかというと、ないわけではありません。

ひとつは、なんとなく全体的な動作がもたつく感じがします。これは前のLionに切り替えた直後もそうだったのですが。ちなみに使用環境はMac mini(2011)とMacBookAir(2012)で両方ともメモリは8GBにしているのですが、ちょっとMac mini側の動作がもたつくなーというイメージです。

あと、SafariにRSSリーダー機能が無くなってしまったことでしょうか。SafariのブックマークバーにRSSフィードを登録しておくと、未読が(10)のように一緒に出てくれて非常に便利に使っていたのでした。それがRSSリーダー機能がなくなってしまい、Safariでは読みこめなくなってしまったのです。おかげでブックマークバーの整理をし直さなければならなくなりました……でもこれは、iOS版のSafariでも同じようなことがあったので、予想していなければならなかった事態かもしれません。

全体的には満足感は高めです。特に、MacBookAir11インチのような小さい画面のMacとの相性が増した感じがしています。通知メッセージのおかげで、フルスクリーンで作業をするのがとても楽になりました。また何か気づいたことや面白い使い方を見つけたらレビューしていきたいと思います。
(杉村 啓)