1999年に発行され話題になった「少女と恋愛する方法」の2011年版は、少女と実際にどうやって付きあえばいいのかを書いた電子書籍。これが問題作なのか、はたまた癒しになるのか。それは実際読んでみて。

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こんにちは!
エキレビのロリコン担当のぼくです。

さて、先日電子書籍で非常に刺激の強いタイトルの本が配信されはじめました。
それが「少女と恋愛する方法 2011年版」です。
小説じゃないですよ。言うなればそうですね……ハウツー本です。
この本はガチで大人の男性が少女(中身によると「『少女』の定義は、小学校3〜6年生に設定している」そうです)と付き合うにはどうすればいいのかを書いているんです。

はい、アウトー! ……と反射的に言いたくなりますが、ちょっと待ってください。ほら、焦らないで、落ち着いて。
表紙の背景の道路。よーく見てください。女の子、かわいいですね。その後ろには「止まれ」の文字。
この本の本質は少女と付き合いたいという思いに対して「現実」を突きつけることにあるから、面白いのです。

「少女と恋愛する方法」という本は、もともと1999年に下板書房から刊行された本です。インターネットのウェブのみで通販された28ページの本でした。当時1万部以上を売り、今はまったく手に入れる手段がないため伝説の本になっていました。
当時のネット環境を考えると、それだけ売れたらすごいですよね。ならもっと売ればいいのに? と思ったら、賛同の声だけじゃなくてものすごい数の脅迫メールが届き始めてしまったため、発行を休止、共著の三田陽子も逃げてしまったという大騒ぎになった、と作者の宮島鏡の著書「少女愛」に書かれています。
まあねー……。ロリコンのぼくでもこのタイトルはギョっとしますもん。しかも1989年には宮崎勤事件、1999年には児童ポルノ法が施行され、「ロリコンは罪悪」「ロリコンは性犯罪者予備軍」という認識が強かった時期です。
大騒ぎになってこの本があちこちのメディアで取り上げられるのもムリはありません。

それから時代は10年以上経ちました。状況は大きく変わりました。
そこで出されたのが、大幅に内容を改訂された「少女と恋愛する方法 2011年版」なわけです。1999年当時と比べると「ロリコン」の語を出しても「まあそういう人もいるよね」くらいの性的マイノリティとして捉えられる程度には変わっている人も増えていますが、逆に準児童ポルノ問題などがとりだたされ、ロリコンの存在が世間から見て厳しくなりかけている時期でもあります。
難しいよね。ツライよね。

苦しい思いをしているロリコンに対して、この本は言います。
「『少女との恋愛』は誇り高き文化である。立派な人間として純粋なふれあいである。隠すことはない。無理に広めることもない。街の中で手をつなぐこともいい。愛し合うのだ。徹底的に心と心を重ね合う……。それのどこに悪があるか! 『俺の彼女は小学生なんだよ! 可愛いぜ』」
すっごいね。
 
この本は本気で少女達と大人が付き合うにはどうすればいいのかを1つずつ丁寧に書いています。
大人の女性と同じように、遊び友達からはじめること。
コミュニケーションツールとしての携帯電話やメール(ここが21世紀的)。
社会的に安心できる存在として名刺を作ることや、子供の親に信頼される人間になること。
なるほど、間違いなく恋愛のハウツー本ですこれ。

しかし、決定的に少女と大人の女性では違うところがあります。
まず当たり前ですが子供だということ。
見た目がかわいいので付き合いたい、というロリコンの人に対して、ドストレートに「精神的にも肉体的にも未発達なのであり、今、あなたと触れ合うことも思春期の成長過程の一端にすぎない」と書いています。
恋愛は信じてもいい。だが夢みていていも現実は違うぞ。気を付けろよ。ナボコフの「ロリータ」のハンバートハンバートみたいになるなよ、と。

ロリコンだと思っていた自分が「真の少女愛好者かどうかが判明してくる」とも書いています。
まずこの本自体はロリコンに対しては完全に肯定的です。あくまでも恋愛対象が少女というだけで、マイノリティなだけだから苦しむ必要はない、罪ではないと明言しています。
しかし性欲で少女を愛していた場合、「一対一の人間関係として少女を愛することが出来るか、となると話は別だ」「『少女は美しい』とか、『汚れがない』などというのは少女愛好者たちの勝手な幻想でしかない」とこの本は突きつけてきます。
それでも愛せるのか?
少女は成長する。そのスピードは大人とは比べ物にならない。もしかしたらその少女と仲良くなれたとしても、同年代の恋人をみつけてしまうかもしれない。
「ハウツー本」とは書きましたが、この本はロリコンを認めた上でいかに少女と付き合うのが難しいかを現実的に書いた本なんです。

序文にはこうあります。
「本書はロリコン雑誌とはまったく相違する。 少女に対する一方的な肉欲を否定するものである」
ロリコンという性的マイノリティに対して、優しいエールを送る本であると同時に、夢ばっかり見るなよ、現実の少女は甘くないぞ、絶対触れるな!という警鐘を鳴らす本なんです
うまいよね。これがもし「少女に触れるなロリコン!」っていう内容の本だったらちょっと手を伸ばしたくないですが、「恋愛する方法」と言われたらちょっとハラハラドキドキしながら見ちゃいますもの。そしてこのざっくりとメスを入れる内容。

内容はそんなに長くないので、すぐ読めます。ただロリコンには一文一文が重たいかもしれません。
逆に子供のいる人は、ロリコンの人が何を考えているのかを知るちょっと変わった機会になるはず。
シビアな内容であることばかり書いてしまいましたが、最後の「少女とキスをするのは合法か」の章だけちょっとロマンチッック。
99%の現実を見る目と1%の夢を持って、ロリコンは今日も明日も強く生きていくのです。
(たまごまご)